【本】かんべむさし『38万人の仰天』

左遷されたサラリーマンが新天地の大阪で一発逆転を賭けたイベントを企画する話。
いい言い方をすれば(?)池井戸潤のドラマみたいだ。
SF要素は付け足し程度。

SF以外の、八〇年代の大阪の住まいやオフィスの風俗的な描写が興味深い。
四〇年前ってこんなふうに話していたっけ? 
明石家さんまやダウンタウン以降、みんな過剰にお笑いっぽく話すようになった一方、角が取れた部分もあり、登場人物たちがうちの両親と同世代にしてはもう少し上の世代みたいな話し方するな〜と大阪出身者は感じる。

大阪マスコミの作中のドメスチックな雰囲気については、僕は会社勤めの経験はないけれどマスコミ業界に出入りすることも多かったので、比較的わかるところもあるけれど違和感もあり、それが今と四〇年前の差なのか東京と大阪の差なのかはわからない。

物語的には淡白。
仕掛けがあるわけでも大きなどんでん返しもない。

四〇年前の男女ってこんなにうぶだったのか?