【本:漫画】三浦建太郎『ベルセルク(40)』

一〇年位前から三浦氏は全盛期のようなハッチングを繰り返してベタに至るような描き込みができなくなってきて、全体的に画面がグレーっぽくなっている。

三五歳前後から人間は筆圧が下がり老眼になり体力が落ちて絵を描くのに時間がかかるようになる。
老化によるクオリティの低下を解決するためベテラン漫画家がデジタル導入するケースが増えていて、だからこの漫画のデジタル化は時間の問題と思っていたけれど……この漫画にとってこれが吉と出るか凶と出るか。
短期的にはまだデジタルを使いこなしているとは言えずやや寂しい出来だけれど、長期スパンだと新しい画材の技法的探求が漫画を描き続けるモチベーションに繋がるかもしれず、やや疲れが見えるベルセルクがまた盛り上がる展開になることを、ものすごく引いた場所から期待している(俺何様?)。