【夢】僕は修学旅行で山沿いの漁師町に来ている。

しばらく前に大地震があったようで廃墟のようになっている。
半壊した家の中をのぞいてみると、少年が一人で住んでいる。
家は半分海に浸かっており、少年は魚を釣って食いつないでいるとのこと。
両親を失い学校にも行かず、ここ数年彼は暮らしているのだ。
僕は少年をなんとかしてあげたく思い、
「僕が君を引き取って育てるから安心しな。いちおう教師の免許を持っているから勉強も教えることができるよ。わからないところあるかもしれないけど僕も一緒に勉強するから」
と声をかける。
少年は喜んで飛びついてくる。
途端に周囲がおしっこ臭くなる。
長いことお風呂に入っていないからそれも当然だ、と僕は思う。
しかしよく見ると、僕に身体を押し付けながら感極まった少年がお漏らししていたのだ。
小便は止まらず流れ続ける。
(自分自身の尿意とごっちゃになっている)

アスファルトの代わりに石畳を敷き詰めた町を通る。
このあたりは地震の被害が特にひどかった地域のようで今もゆるやかに建物が倒壊中だ。
上から石片がパラパラ落ちてくる。
見上げると、街の一角が逆さまにぶら下がっている。
褶曲した地層が、⊂という字みたく反り返っているのだ。
建物も道路も今にも落ちてきそうな状態で頭上に広がっている、僕はいつの間にかその下を歩いている。
ほんの僅かな震動で崩れそうで、僕はゆっくりその場を立ち去ろうとする。
と、逆側から老人がこちらにむかって歩いていくるのが見える。
老人は手に刃物を持っている。
避けようとして僕が歩く方向を変えると、老人も微妙に方向を変え僕に近づいていくる。
背後は逆さまになった街角、前は老人。
僕は逃げようとして速度を上げる。
老人はゆっくりと歩いてこちらに向かってくる。
しかし、アキレスと亀のように僕と老人の距離は狭まるばかり。
追いつかれそうになる。