【映画】『ベイマックス』:ユナイテッド・シネマとしまえんで鑑賞

去年末、NHKのドキュメンタリー観たベイマックス』のメイキングを確認するという意味で鑑賞。
たしかによく出来ている。
細かい部分を観れば観るほどよく出来ている。

しかしこれは感覚の違いなのかもしれないが、エピソードの塊が大きくなるほど矛盾点や物足りない部分が見えてくる。
ブラシアップは全体から細部に向かって行われるわけで、その逆になればなるほどチェックは甘くなる。
大きなマスの修正は小回りがきかなくなる。
(細部を進行しているたくさんのクリエーターに影響が及ぶから)
さらに原作のレベルまで戻ると、主人公と主人公をサポートするヒーローキャラたちが活躍するぶんキャラクター全体の掘り下げが浅くなっている。
爆発事件と教授の行動の因果関係は微妙だし、悪い企業のトップは悪さも中途半端なうえそれ以外の面もなく何の感情移入もできない。
一人の作家が作っているわけでないので、論理が一貫しない。
整合性が最大公約数的なのものになっていく。

もっと完璧に近い作品を観ると思っていたが、圧倒的な部分とそうでない部分があって、僕は思ったよりも圧倒されなかった。
それでもこのレベルのものを量産できるシステムを作り上げたことはすごい。
多くの人々が作品作りに協力する姿に、民主主義の最終形態である(理想としての)共産主義を見た!
逆に、あきらかに共産主義思想の影響をうけているであろう日本のアニメ監督が独裁で作っていることの不思議……