【本:漫画】『ウルトラヘヴン(1~3)』小池桂一

僕が高校生のとき、小池桂一氏の単行本『G』を購入していたが、ほとんど台詞のない物語で、好きな部分もあるが全体的にハードルが高く理解できなかった。
同じく僕が学生時代に好きだった漫画家板橋しゅうほう氏とタッチが似ている。
描線、ハッチングの先端が破線になって消えていくタッチ。
というより小池氏と板橋氏が共通して影響を受けているのがバンドデシネ(フランスの漫画)の作家メビウス氏ということだろうか。

漫画本流っぽくなくて、見慣れない表現(懐かしい表現、前衛的な表現)が入り交じる。
ずば抜けたコマ割り、絵の達者さ。
連鎖するイメージのスムーズさ……小池氏はおそらく絵の類似性に注意深いのだろう。
メビウス氏に似てはいるがベタがほとんどなく、白っぽい画面。
どちらかといえば大友克洋氏の漫画キャリア中期でSFを描いていた頃の画面と色味が似ている。
大友氏にくらべると質感の描き込みが多い。