【夢】僕はとある外惑星を探査している。

僕にそれを命じたのは『2001年宇宙の旅』でモノリスを作った宇宙人のような存在。
宇宙人の超科学によって作られた宇宙服を僕は着用している。
一見すると宇宙服とわからないような、普段着とゴム手袋レベルの軽い装備だ。
槍のように隆起する山脈の岩壁を両手でしがみつきながら慎重に降りていく。
ゴム手袋が何かに引っかかって切ないか、僕はずっと気にしている。

惑星の軌道は恒星から遥か遠く、光がわずかにしか届かない。
真っ暗な星空、アンモニアとメタンの薄い大気はマイナス一〇〇度以下。
岩壁の降りた底は廃墟のようだ。
地面に何か落ちている。
下向きに被せられていている人工的な網のようなもの。
近づいて中を覗くと、コスモスに蝶々が凍りついたように静止している。
この惑星はもとは地球のような気候だったのだが、急激に冷えてこういう星になったということがわかる。
周囲を見渡すと、そこは田畑の跡のようで、前に道路があってマンションもそびえている。
自分が立っているその場所は、僕の実家の前にあった田んぼだったのだ。
(ちなみにその田んぼは潰されて今は駐車場になっている)
あぜ道を通り実家へ向かう。
実家に到着すると、建て直す前の古い家の形で残っている。
あまりの寒さで時間が凍り、過去と変わらない姿で保存されているのだ。
中に入ると、そのまま全てが昔のまま止まっている。
ある夜、寒さで凍りついてそれからそのままになっているのだろう……布団の中で眠ったままになっている家族がそこにいる。
泣きそうになりながら、家族の寝顔を見て歩く。