【映画】『惑星ソラリス』

原作は何度も読んでいたが、映画版を観るのは今回初めて。

調査のため惑星ソラリスへ訪れた主人公。
ソラリスの海は、人間が普段心の奥底に封印している思い出したくない記憶(に関わる人)を実体化させる作用がある。

主人公クリスは、一〇年前に自殺した妻と惑星基地で邂逅する。
思わぬ事態にうろたえ、現れた妻をロケットに詰め宇宙へ放逐してしまう。
しかし妻は再び同じように現れる。
クリスは、自分の過去におかした過ちと向き合うため、訪問者(ソラリスの作った人間)としてではなく、彼女を人間として(現実の妻として)向き合うことを選択する。
クリスの記憶だけの範囲でしか思考ができなかった妻は、彼との触れ合いの中で自我が目覚め人間に近づいていく。
そんな妻の辿り着いた答えは、皮肉なことに自らの死だった。
科学者仲間から妻の死を知らされ、主人公は落胆する。
そんな彼をねぎらうかのように、ソラリスは、主人公が捨てたはずの故郷を再生させる。
そして主人公は父に許しを請うようにひざまずく……

原作にあった、人類をはるかに越えた知性とのコミュニケーション的な要素はなくなり、ソラリスは人の思い出を具現化させる装置としてのみはたらいている。
それを深みがなくなったと捉えるかどうかは難しいところだ。

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