【本】『中国嫁日記(1~2)』井上純一

エッセイ漫画だが、映画『ブッシュマン(コイサンマン)』のように、文明の衝突を描いたもの。

こういうことがある、という事象としては興味深いが、純粋に漫画としてはどう捉えたらいいのかわからない。
実際にこれがほんとうのことであったとしても、フィクションとして読んだら
「そんな都合いいことあるか!」
途端に漫画としてなりたたなくなってしまうかもしれない。
単行本の中でも嫁本人のコメントや写真をどこかしこに出すことによって、リアリティを担保しているのだ。

しかし萌え/キャラクター漫画として魅力あることもたしかで、考えてみれば小林よしのり『ゴーマニズム宣言』もこういうものだ。
そもそも純粋な漫画の魅力を僕は狭く捉えすぎているのかもしれない。
漫画の背景画を手描きにせず、写真・3Dデータを処理加工しただけで、
「漫画本来のよさがなくなっていく!」
と言い出すような老害にならないよう、自戒の意味を込め読み続けていこうと思う。