【映画】『こわれゆく女』

そもそも画面に出てきた瞬間から女がおかしい。
『こわれゆく女』というより『最初からこわれていた女』あるいは『もっと!こわれゆく女』だ。
明確な出来事がきっかけでこわれたわけでなく、主人公の嫁であるこの女がもともと持っていた不安定さによって、日常の些末事がストレスになって徐々におかしくなっていったということだろうか。

ドキュメンタリのように物語に起伏がなく、出来事がメリハリなくつながっている。
だからこそリアリティというか、心の動きや臨場感がこの映画の見せ場なのだろうが、僕の中ではあまりリアリティを感じることができなかった。
おかしい人は一見もっと普通で、なにか不用意に出た言葉が決定的におかしくて恐怖を感じるものだが、この映画では作為的なものを強く感じる。

ラストは物語の中で決着がつかずそのまま放り投げ出され、現実に残された僕に居心地の悪さだけが残った。

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