自ら伝説を喧伝しながら傭兵稼業を続けるヘラクレスと名乗る男は、妻子の死、ケルベロスの夢に悩まされている……
ギリシアが、神や魔物が跋扈する世界でなく、それ自体が国家(あるいはそれを利用する者)のプロパガンダだったという解釈は新鮮。
クライマックス、伝説(プロパガンダ)によって作られたヘラクレスが、本当の自分の物語を作るためには実際の行動(力)しかないと気づき、途方もないアクションにつながっていく過程は燃える。
現在のアメリカ国民は政府や世界に対してこう思っているという理解でいいのかな?
ベトナム戦争やイラク戦争そして現在のテロとの戦いを正義の戦いだと思っていたのに、政府と付随する企業や団体に利用されていただけだった!
……という当事者意識の欠如。
ただのギリシア神話を元にした話でないプラスアルファの部分があったので満足。