【映画】『ザ・ムーン』

一九六九年〜七二年にかけて九つの宇宙船が月へ行った……宇宙飛行士へのインタビューと映像で作られたドキュメンタリー。

月面の映像はどれも色味がなく、地球の砂漠を白黒で撮影したかのようだ。
地球から持ち込まれたものだけかろうじて色が付いていて、それは映画『シンドラーのリスト』に登場する赤いコートの少女がごとく。
視覚的にあまり楽しくなく、「地球以外の地に初めて降り立った……」という歴史的な意味以上のものはない。

インタビューを観ていると、宇宙で神の存在を確認した人が少なくない。
(月に降り立って)人が作った宗教を超越した存在、万物の創造主の存在を感じた……とのこと。
人間が人間であるかぎり、たとえ太陽系から外へ出てはるか未来、銀河帝国の時代になったとしても宗教はなくならないのだろう。