【映画】『あなたを抱きしめる日まで』

物語というものは出来事をどう切り取とるか、ということだが、ノンフィクションは実際にあった出来事を演出以上に逸脱できないから物語の演出の手腕が問われる。

演出で描いていいことの制限があるが、そのぶん涙という点においては事実の重さで簡単に担保される。
それが実話の強みであり弱みであり……特に考えさせられたのがクライマックスの老シスターと主人公のやりとり。

僕は涙が止まらなかったのだが、物語の核心部分だけに、ここがどのくらいの真実かということで映画に感情移入する度合いが変わってくる。
これはどの程度演出されている事実なのだろうか?

単にここに描かれていることだけを受け止めて泣いていいのか、と一方で冷静に考えている自分もいるのだ。