【本】★『明晰夢―夢見の技法』スティーヴン・ラバージ

(再読)

メモ:
紀元八世紀にチベットの仏教徒が夢の状態のさなかにも完全に目覚めた意識を保持することを目指す、ある形態のヨーガを実践していた。
ヨーガ志願者のための古代の手引きによれば、ある種の夢コントロール法の実践によって、想像しうるあらゆる体験の夢を見る能力を獲得できるという。
チベットのヨーガ行者にとって、明晰夢は実験の良い機会であり、それによって夢の状態が主権的なものであると気づき、その延長として目覚めている時の経験も同じく主観的なまのだということに気づくためのものなのだ。

夢状態における形状やおびただしい変化はすべて心の慰み物でしかなく、それ故蜃気楼のようにはかないものだと学ぶ。
覚醒時に五感によってちかくされるものも夢状態におけるそれらの反映と同じく、どちらも同じく輪廻によって移ろいゆくものであるという認識へと導かれる。

輪廻のうちにあっては夢と現実は同じく非現実であり、またそれ以外にありえないという大いなる悟り

一〇世紀のインドのタントラのテキストにも同じようなものが残されている
入眠しながら意識を保つ方法

サン・ドゥニ伯爵『夢及び夢を支配する法』一八六七年

夢の脳の状態
リラックスしているとアルファ波を脳波を示す(緊張していると示さない)
覚醒段階

第一段階 アルファ波が一定期間(三〇秒)の半分未満…睡眠が始まる
眼球運動が始まる、数分間、
睡眠のごく浅い段階
入眠時幻覚

第二段階 睡眠紡錘波(一二〜一四Hz)
眼球運動殆ど見られない、筋緊張いくぶん減弱
第一段階より現実的な夢

第三段階 デルタ波(一〜二Hz)が二〇%を占めるようになる

第四段階 デルタ波が五〇%を占めるようになる
(第三段階とあわせてデルタ睡眠と言う)
睡眠のもっとも深い段階
眼球運動殆ど見られない、筋緊張低い

一時間半後には第三段階から第一段階へ戻る
第一段階すなわちアルファ波が一定期間(三〇秒)の半分未満…レム睡眠、すなわち夢見の状態

レム睡眠五分から一〇分続き、また戻る
二回目以降はデルタ睡眠が少なくなり、レム睡眠が長くなり
二、三回目以降はデルタ睡眠出現せず、
第一段階レム睡眠、第二段階ノンレム睡眠のみとなる
最後はレムが一時間になることも
その間隔も短くなり九〇分から最後は二〜三〇分間隔

夢航行士

呼吸、眼球など体を傷つけない筋肉については、麻痺から逃れている。
呼吸、眼球の変化で外に合図する

明晰夢の中では文字はじっとしていない。
語句に集中しようとすると文字は象形的な判読しにくいものになる。

ライト・スイッチ現象…夢の中で照明の強さを変えられない。

夢見人が明晰夢の中で起こり得ると想定したことは、実際に起こることを一部または全部決定すること。
個人差が大きな意味を持つ。

周囲に及ぼす力
自分自身に力を及ぼす

感情に距離を保つこと
目覚めてしまう

巧妙に仕組まれた偽りの目覚め

明晰夢が消えようとしたとき
後ろ向きに倒れるかクルクル回る
新しい夢の場面に移行する

脳の前庭系を刺激、近傍のレム睡眠系の構成要素の賦活

夢想したり自分を見失わないこと

一日五回から一〇回から「私は夢を見ているのか否か?」問い続ける
早い人ならその日、続ければ一ヶ月以内に初めての明晰夢

●第一段階 アルファ波が一定期間(三〇秒)の半分未満…睡眠が始まる
微細夢
一つ、私は夢を見ている
と数えながら入眠する。

「四四、私は夢を見ている」で夢を見ていることに気づく。

慣れると数を数えるだけで入眠時に明晰夢を見ることができる。

●明晰夢誘導(MILD)

1:早朝、自然に目が覚めたら、記憶するまで何度も夢を思い出してたどる。
2:ベッドに横になったまま眠りに戻りながら「次に夢を見るとき、私は自分が夢を見ているとわかっていることを思い出したい」と自分に言い聞かせる。
3:リハーサルとして、夢の中に戻った時の自分を視覚化する。
4:自分の意図がはっきりしたと感じるか、寝入ってしまうまで、二と三の手順を繰り返す。