【本】★『10月はたそがれの国』レイ・ブラッドベリ

妄執に囚われた登場人物が抗い難い事件に巻き込まれ、その妄執が現実化する……そのバリエーション。
主観が妄執で現実の境界線があやふやになった登場人物側から描かれているので、物語中で何が起こっているのか一読で把握できない。
何度も読み直しながら次の短編へ移る、それを繰り返しながら通常の倍近くかかって読了。

メモ:
「こびと」
「つぎの番」
「マチスのポーカー・チップの目」
「骨」……骨の痛みに固執。医者に抜いてもらう。そのクラゲが、彼女の名をはっきりと呼んだ。
「壜」……カーニバルでかった瓶の中の白いブヨブヨしたもの。皆自分なりの幻想で見つめる。
「みずうみ」
「使者」
「熱気のうちで」……ブルームバーグ市長気温が上がると犯罪発生率も上がるようだ/地球温暖化で人間が攻撃的になる?  夏場の方が犯罪率か高いのは統計学的にみても、その通りの結果
「小さな殺人者」 ……赤ちゃんに殺されるという妄想
「群集」
「びっくり箱」……ロコ!思うままに
「大鎌」……麦を刈ると人が死ぬ。刈らないと死なない人が増える。
「アンクル・エナー」
「風」……台風や竜巻で死んだ人が魂だけの存在となって生き続ける。
「二階の下宿人」
「ある老母の話」
「下水道」……自分たちが住んでいる街の下には都市がある。下水道の水が流れて水の中に沈んでいる。水が流れていき帰り、私を迎えに来る。
「集会」
「ダッドリー・ストーンのふしぎな死」