一六時五四分より隣の区の成増図書館へ向いついでに五〇分ジョギング。
朝は晴れていたのに、夕方になるにつれ空が霞がかってきて、周囲は彩度の低いどんよりとした景色にかわっている。
住宅地をしばらく走ると東武東上線の踏切に出る。
行き交う人混みの中をすり抜け、車に轢かれないよう気をつけて走る。
James Brown『Live At The Apollo』を聴きながら走る。 2019年5月19日に、同じタイトルのアルバムの一九九五年度版を聴いて感想を書いたが、本来聴くべきは一九六三年版の本アルバム。
一九九五年度版はパンチの効いたダミ声の「ゲロッパ!」でサミュエル・L・ジャクソンのようなビジュアルを想像しながら聴いていたが、一九六三年版の本アルバムはとにかく声が高い! クリス・タッカーのデビューしたての頃をイメージする。才気走った若者の自信をビンビンに感じて憎らしい。
一六時四五分より公園を四六分ジョギング。
日は大きく傾き、地平線上をゆっくり落ちていく途中。
夏一歩手前の暑さで、まだ本格的でないのが救い。
Paul Butterfield Blues Band:『East-West』を聴きながら走る。
ブルースを冠したバンドで、このアルバムはれっきとしたブルースから始まるのに、ラストの表題曲は様々な様式が入り交じるカオスのような一三分……初夏の暑さとランナーズハイで恍惚の境地にトリップ!
六時五三分より公園を五五分ジョギング。
朝ジョギング、灰色の空で少し肌寒い。
路端にはみ出している紫陽花が満開……青赤紫に咲き乱れている。
Bob Dylan『Blonde On Blonde』を聴きながら走る。
ボブ・デュランの、やる気があるのかないのかわからない歌い方が好きでない。
このアルバムからだいぶポップになったけれど、それが僕の中でプラス要素に向かわない。
同時代で英語がわかったなら一八〇度違う感想になったかもしれないけれど……文明から取り残された日本列島の奥地でウホウホ言っている音楽音痴のウンコ星人(僕)にはついていけないよ。
一六時四九分より公園を四二分ジョギング。
途中で郵便局前のポストに郵便を投函し、公園前図書館へ向かう。
夕暮れ、夕日の橙色に染まった公園が綺麗で、陶然としながら走る。
The Rolling Stones『Aftermath』を聴きながら走る。
人生二枚目のローリング・ストーンズ。
前に聴いた『Out Of Our Heads』と比べ、明確に現代のロックと連続性を感じる。だいぶ聴けるようになった(上からの僕基準!)。
特に十一分の長さ『Going Home』、僕はこういう破綻ギリギリの曲が好き(あるいは単に長い曲好きなのかもしれないが)だ。
一六時四七分より公園を四三分ジョギング。
地面が雨を吸い込んだせいか、凄まじい湿度。
暑くはないけれどけっして涼しくもなく、ぬるいサウナを走っているようで、ものすごく消耗する。
走っているうち雲が厚くなってきて空はところどころ真っ黒なまだら模様、でも青空がのぞいていたり、夕方に向かうに連れ大気の不安定さが増していく。
The Beatles『Revolver』を聴きながら走る。
六三年のアルバム『Please Please Me』から三年で信じられないぐらい進化した! 現代ロックのアルバムだと言っても差し支えない普遍さを持っている。
UNICORNの四枚目のアルバム『ケダモノの嵐』は様々な洋楽オマージュを隠さず全面に出し弾けたもので、僕史上UNICORNベストなのだが、その中の「富士」「夜明け前」(ともに阿部義晴作詞作曲)は、『Revolver』の「Here, There and Everywhere」のオマージュだと、僕はひそかに思っている。
そして僕は『ケダモノの嵐』が好きだから、このアルバムも大好きだ。