四時四五分起床。
五時一五分にカプセルホテルを出て、仙台駅へ向かう。
秋の匂い漂う朝の舗道を歩く。
雨に濡れたアスファルト、頭上には澄んだ青空の手前に切れ切れになった雲がかろうじて残っている。
仙台から始発に乗り、小牛田へ。
小牛田から前谷地ヘ向かい、そこから気仙沼線に乗車……といってもバス。
バスに揺られ二時間半かけ気仙沼駅へ向かう。
掘り返したばかりの地面、仮設の建物が目立つ。
通常の道路、元鉄路をアスファルトで埋め立てた舗道を走る。
仮設でないバス専用の駅舎を見ると、もう鉄道に戻ることはないのだな、とさみしい気持ちになる。
二〇〇〇年に上京した翌年に人生初の東北旅行で訪れた記憶がよみがえる。
一〇時過ぎ気仙沼に到着、駅前の観光所で自転車を借りて街をひとまわりする。
港周辺は古い建物の一階部分が傷だらけになっていて、震災の津波被害を想像させる。
そうでなければ一階部分だけ改築されていたり、建物自体が真新しかったり。
気仙沼市魚市場を見学してから、港前の新しい建物の店で海鮮丼を食べる。
観光客はまばら。
一二時過ぎの電車で出発、東北本線を経由して仙石線の苦竹で下車。
駅近く住宅地のゲストハウスにチェックイン。
外を散歩すると蝉の声が聞こえない、もうすっかり東北は秋だ。
二三時就寝、ベッドの下で寝ている人の常軌を逸したイビキで眠ることができない。

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