芳醇な物語世界に耽溺することができたことに感謝。
しかしプロットが錯綜しすぎて一読では完全には理解できなかった。
かなり詳細な人物相関図をメモしながら読んだんだけどなあ〜。
あとがきで作者がこの物語の伝えようとすることの肝を書いていることに驚く。
ヤングアダルト向けだから?
え〜かえって値打ちなくならない?
読者的にはありがたいけれども……
(一巻の感想)へんてこいな〜。このレベルのリアリティラインでも昔は許されたんやな〜スケバン刑事より現実味がない。
(全巻通しての感想)一般的に読者を牽引する物語の力は、ストレスとその後のカタルシスだけれども、この漫画の場合圧倒的にストレスが多い。僕の個人的な印象で言うと里中満智子や萩尾望都や山岸凉子など女性作家の大御所は極端にストレスに傾いているようだ。男性は単純だからストレスは極力少なく読後にスカッとするものを求める……ということなのだろうか。どうなっているのだろうとすごいスピードで読み進んでも気持ちのいい展開になることはほとんどない。不条理小説のように主人公は悪手を選択、悲惨な結果になっていく。感情移入がほぼできなかった。
なんと! なんもわからんかった。こんなにわからんのは『ニルヤの島』以来。僕は文章をイメージしながら読むのだが、なんとイメージすることを拒否する文体と内容……頭がおかしくなるかと思った。物語を読むときに人物相関図をいつも書くのだが、それすら書くことできなかった。
(追記)
先日理解できなかった円城塔『プロローグ』を再読して、困難な人物相関図を無理やり書きながらプロットをチャート分けして整理する。
そうするとあら不思議、全くわからなかった『プロローグ』がみるみるうちに……やっぱりよくわからない。
よくわからないなりに整理できたところもあるのでそれをいとぐちに考えてみる。
ギリギリまで読みこんでから外出、一五時から新宿で開催されたSF読書会へ。