何と……映画の長さは一一三分!
ガガーリンが人類初の宇宙飛行士として打ち上げられて帰還するまでの一〇八分を、ヒッチコック『ロープ』のごとくリアルタイムで描いた映画かと思っていたらそうではなかった。
ドキュメンタリー風でもなく、今流行りのPOV方式でもなく、打ち上げのその日の出来事をガガーリン自身の半生を回想を交えて描いた比較的オーソドックスな作りの映画だった。
ガガーリンの人間的な部分は断片的に伝わってくるけれども、彼が他の人よりどんな部分で抜きん出てどんな理由で選ばれたのかはあまりはっきりしなかった。