日別アーカイブ: 2014年12月3日

【日記】14年12月03日 体重58.6kg

深夜、何度も悪夢で目覚める。
目覚めては眠れなくなり、天井を見上げたり布団の中の暗黒を見たり、不安な一夜を過ごす。
九時起床。
寝不足による粘着質な眠気、目覚ましを念のため三回もセットしているのに布団から出ることができなかった。
一日を無駄にしたような気分。

特に何かあるということではないが、ちょっとした怠惰が積み重なって一日のスケジュールがずれていき、自分がよくないほうに傾いていく。
根本的に何かを変えないとダメだ。

一四時五分より公園を三〇分ジョギング。
久しぶりに真昼に走る。
日差しが明るくて気持ちがいい。
昨日から一気に冬になったのか落ち葉が大量に落ちて道路が見えなくなっている。
日差しに反射して落ち葉が金色から黄土色のグラデーションに輝いている。
Pink Floydのアルバム「対 The Division Bell」を聴きながら走る。
昨日の続きを聴いている。
悪くはないが……あまり印象に残らない。

僕は腕時計の拘束される感じが苦手で、ずっと携帯の時刻表示で過ごしてきたのだが、携帯の電源を切らなければならない場所に行くことがあったり、移動中とっさに時間を見たいので、懐中時計を購入することにした。
新しいアイテムにはちょっとワクワクしてしまう。

2014-12-03 13.47.11

二三時就寝。

【映画】『ラストミッション』

プロフェッショナルが苦戦しながら家族の安寧を取り戻すために戦う話。
昨日鑑賞した『バトルフロント』ほか、『96時間』『トカレフ』など……この数年で同じパターンの映画を観ることが多い。
この手の映画でありがちな展開:壊れている家族間の愛情(離婚してたり片親だったり殺されたり)を取り戻そうとする→家族が危険にさらされる→ウィークポイントになって敵に突かれる。

しかし似たような構造なのに、昨日鑑賞した『バトルフロント』と比べると大きな断絶がある。
作家の必然性なく作られた、柳の下のドジョウに見えて仕方ない。

CIAのエージェントである主人公が第三国で主権侵害行為を繰り返す、その正当性が見いだせない。
敵が悪そうな奴としてしか描いていない(上司からターゲットに命じられている以上の理由がない)ので、主人公がいかにも利己的な動機で暴力をふるっているように見える。

余命いくばくもない病気に侵されている+薬の副作用がある主人公になぜ単独で任務を遂行させるのか?
主人公に指令を与える女が作戦に協力しない不思議(CIAにとって重要で予算をかけている作戦にも関わらず)、ただ単にエロ要員でしかない。

そして娘が敵のターゲットになったような伏線があるのに、最後まで何も起こらず娘は無傷なまま……何このザルのような話?

【本】『ソラリスの陽のもとに』スタニスワフ・レム

中学二年で初読以来、折に触れ何度も読み返している。
読み返すにつれ(人生を重ねるにつれ)、違う印象になっていく。
この小説で描かれていることに対し、感じ取れる深みが増していく。

初読時には、自殺した妻があらわれる描写はホラーとしてしか読まなかった。
今回読みなおしてその奥になる恐ろしさの深みを知る。
このこの シチュエーション
人が普段見たくなくて心の底に隠しているフラッシュバックが現実化するようなものだ。
忘れたくて普段心の蓋の底に沈めているものが、暴力的に追いかけてきて、地獄のようなシチュエーションだ。

ようやくトラウマと対峙し、受け入れようとしたらその刹那に消えてしまう、翻弄されるがままの主人公。

そもそも人間同士すら理解し合うことは難しいのに、人類が他の知的生命体と容易にコミュニケーションできるわけがない。
惑星ソラリスを(コミュニケーションできない相手だから)爆弾で消してしまえ、という意見が地球文明にあったとの描写、タリバンのバーミヤンの仏像破壊を思い起こさせる。
理解できないものを自分の価値観で推し量ろうとする傲慢さが、個人レベルから文明レベルにまで広がっていく。
それでもラスト、一片の希望を持って終わらせるところにレム氏の作家として人間としての良心を見る。