あまりにも理解し難い内容だったので二回繰り返して鑑賞。
脈絡のない展開がずっと続いているようだが、全部通して観ると出来事が進行していることがわかる。
セリフの抽象度が高く、その瞬間のセリフ単体では何が意味のある情報か理解しがたいことが、映画のわかりにくさに輪をかけている。
主人公がセックスぐらいでは現実感を感じることができず、痛みを感じることによって現実感を取り戻そうとしている……だから全体的に夢の中のような空想世界のような浮遊感、非現実感に支配されているということなのだろうが、それを表現することによって面白さを削ってしまったら、映画として退屈でしかない。
クライマックス、明確に自分に対して敵意を持っている相手との対話すら抽象的で問答みたいな会話。
具体的なことをいわない。
最後の一瞬だけは期待を裏切る展開で、そこは作家性だな〜と思うけれども面白いかどうかはまた別。
僕の中でクローネンバーグ監督は『イースタン・プロミス』までは面白かった。
『危険なメソッド』以降は今ひとつ。