日別アーカイブ: 2014年11月4日

【日記】14年11月04日 体重58.9kg

五時起床。
七時頃、暖房をつけていると急激に眠くなって爆睡、一時間も惰眠を貪ってしまう。
朝から頑張ろうと思っていた気持ちの出鼻を挫かれ、絶望に打ちひしがれる。

八時九分より公園を三六分ジョギング。
冷たい青空。
紅葉で緑より色が変わりつつある公園の樹々。
黄色いイチョウの葉を蹴散らし、並木通りを走る。
Pink Floydのアルバム「Wish You Were Here」を聴きながら走る。
走っただけなのに何か成し遂げたような気持ちになる。

午後から近所を散歩ついでに、練馬高野台のラーメン屋に入る。
つけめん、普通すぎるぐらい普通。
市場で買い物してから歩いて帰宅すると一五時になっている。
時間が経過するスピードの早さに戦慄。
日々のよしなしごとだけで何もせぬまま歳を取っていく。
午前〇時半就寝。

               ◇

こんなもの食べた! 14年11月04日

こんな映画を観た! 14年11月04日
【映画】『ローン・サバイバー』:DVDで鑑賞。

こんな本を読んだ! 14年11月04日
【本】『ワインズバーグ・オハイオ』シャーウッド・アンダソン
【本】『カオスノート』吾妻ひでお

【映画】『ローン・サバイバー』

海兵隊とタリバンの銃撃戦が素晴らしい。
新鮮な表現でなおかつ凄まじいリアリティの戦争描写、僕の中では『プライベート・ライアン』の分水嶺を越えている。

しかしそれ以降の展開はよくあるハリウッド映画のパロディのように予定調和になっていく。
子供を使ったいい演出によい意図を感じない。
そしてこの後起きるかもしれないすさまじい悲劇の可能性に関して映画内ではあまりにも触れなさすぎて、違和感がある。
前半の容赦なさに対して、アメリカ人観客に対して安心させる要素(アフガニスタンでおこなった行為の正当化)を若干でも与えたかったためだろうか。

【本】『カオスノート』吾妻ひでお

『アル中病棟』と打って変わって意味性の低いギャグ漫画。
コマ割りも絵も漫画演出的にはわかりにくいところがない(吾妻氏の読者に対する客観性がきわめて高い)。
きれいに整理されている内容の、ある限られた部分だけがナンセンスだから「ここはこういう部分のナンセンスなのだな」と読者から見ると整理しやすい。
吾妻氏のナンセンスは完全に意味が無いわけでなく、どこかしこに思考の痕跡が見える。
実は、このわかりやすく見せていること自体が凄まじく高度なことなのだが。

名人芸の大喜利を見せられているようだ。
しかしその芸は外から見えるほど簡単なものではなく稀有な才能によって生み出されたもの。
卓越した職人芸と天賦の才の両輪がなければこの漫画は成立し得ない。

僕の好みは135ページの「ちょっと! 今私の足見たでしょ!」のエピソード。
理屈が通っているようで、通ってない……ぐんにゃりした気持ちになるものが好き。

学生時代から本屋や古本屋を巡り吾妻氏のSF漫画を集めていた自分からすれば、新作を読むことができるというだけで至福のひとときだ。

【本】『ワインズバーグ・オハイオ』シャーウッド・アンダソン

ブラッドベリ『火星年代記』あとがきよりこの小説を知る。
風景画に点景で描かれた人間のように、オハイオ州の架空の町ワインズバーグを舞台にそこで生活する住人たちを描いている。

一番中心に描かれている新聞記者、そして学校の先生と牧師が絡む一連のエピソードは面白かった。
さらに物語が連鎖して有機的に広がっていけば、もっと僕好みの小説になったのだが、意外と個々の登場人物の関連は希薄で、中心となるべき大きなイベントも無く淡々と物語が進む。
平凡だが少しいびつな(逆説的にだからこそ平凡である)住人はそれぞれの夢を追いかけているが、現実に押しつぶされ街にへばりつくようにして生きている。

ラスト、主人公は夢をかなえるためにはこの街から出ていかなけれはならないことを知る。
列車が遠ざかるに連れ、恋人や家族のいる街が意味を失い点になっていく……
僕自身が上京したときのことを思い出し、切ない。