月別アーカイブ: 2014年8月

【日記】14年08月23日 体重60.3kg

五時起床。

五時一三分より公園を四四分ジョギング。
日が昇る時間が遅くなり、足元が暗い。
走っているうちに明るくなってくる。
Gary Peacock/Paul Motianのアルバム「Nothing ever was, anyway. Music of Annette Peacock」を聴きながら走る。
……よくわからない。

昼までかけて資料の整理、時間がもったいない。
午後から漫画のシナリオ。
一五時に外出、大江戸線で新宿へ。
TSUTAYAでDVDの返却、貸出、ヨドバシカメラでイヤホンを修理に出し、東京麺通団で夕食。
その後、四谷のクロッキー会に参加して帰宅。

二二時半就寝。


こんなもの食べた!・・・14年08月23日

こんな本を読んだ!・・・14年08月23日
【本】『クジラの子らは砂上に歌う(1)』梅田阿比
【本】『ヨルムンガンド(1~2)』高橋慶太郎
【本】『僕は問題ありません』宮崎夏次系

こんな夢を見た!・・・14年08月23日
【夢】僕はとある民家を訪れる。

【食】14年08月24日

朝食、豆腐、チキンナゲット、ご飯、トマトとオリーブ油漬けサーモンのせトマトとチキンナゲットとレタスのサラダ。
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昼食、餃子、サツマイモ、ささみのチキンナゲット風、ゴマネギ豆腐、トマトとツルムラサキのおひたし。
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夕食、カレーうどん。
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【日記】14年08月24日 体重60.7kg

深夜、足の中指を蚊に刺され、朦朧としながらかゆみで目を覚ます。
別室まで行って痒み止めを塗る。
プィ〜ンと蚊が飛び回る音にずっと半覚醒状態でイライラしている。。
五時起床。

五時九分より公園を五〇分ジョギング。
もう、秋の香りがちらほら。
もうセミが大音響で鳴くこともないが、地響きのように重低音で地面から響いてくるような粘り強さを感じたりもする。
Gentle Giantのアルバム「Acquiring the Taste」を聴きながら走る。
悪くはないけれども、一回聴いただけでは判読しがたい難しさ。

午前中、漫画のシナリオ。
午後、DVDにて映画鑑賞してから外出、一七時半より三鷹のクロッキー会。
自分のクロッキーの、いつまで経っても上手くならないそのもどかしさに、イライラする。
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二一時半に帰宅。

二二時半就寝。


こんなもの食べた!・・・14年08月24日

こんな映画を観た!・・・14年08月24日
【映画】『ゴジラ(デジタルリマスター版)』:DVDで鑑賞。

こんな本を読んだ!・・・14年08月24日
【本】『千年万年りんごの子(全3)』田中相
【本】『All You Need Is Kill』桜坂洋

【本】『千年万年りんごの子(全3)』田中相

リンゴ農家に婿入りした主人公は、あやまって自分の嫁に禁断のりんごを与えてしまう、それは村に伝わる秘密の祭儀のはじまりだった……という話。

ラストはいわゆるハッピーエンドにならなかったが、昨今の「愛が勝つ」ような個人的恋愛の勝利へ安易に至らず、しかし愛が負けたわけではなく、主人公はじめ周囲の人たちがこの出来事によって得ることができた、(諦念にも似た)ほんの少しだが地に足の着いた安らぎを見ていると、作者の誠意を感じる。

それは漫画の表現とも連動していて、漫画的な醍醐味である、ダイナミックな飛躍、高揚感と、「言語化できない」心の動きを表現する繊細な表現の対立が、ラストにおけるファンタジーとリアルの戦いと同じく拮抗している。

この漫画で描かれていることは東北の村の秘密の祭儀についてでだが、寄る辺もなく佇んでいる主人公が自分の居場所を見つけようとする行為が、普遍的なテーマにつながっていて、読んでいる僕は、翻って自分のこと、この世界のことに思いを馳せている。

……本当に漫画がうまいひとだなあ。

【本】『All You Need Is Kill』桜坂洋

異星から来た敵と戦う主人公が時間をリプレイする能力を身につけ、何百回と時間を繰り返し少しずつ成長しながら人類を勝利へと導く話。

ハリウッド映画版を先に観て、遅れて原作小説を読了。
映画版、小説版、それぞれいいところと悪いところがあって甲乙つけがたい。

映画版の方が設定が整理されていて飲み込みやすいが、そのぶんラストが冗長になっている。
しかしストーリーテリングや映像的な面白さは当然ながら小説版より上回っている。

小説版はプロットとキャラクターと世界観がそのまま投げ出されたような印象。
ラノベなので重厚なつくりではなく、「小説」としては物足りない。
ラストは映画版と逆にあっさりスパッと切っている。
映画版ほど楽天的なハッピーエンドではなくてややリアル寄りだ。

ちなみに僕の好みは、映画版。

【映画】『ゴジラ(デジタルリマスター版)』

水爆実験で生まれた怪獣ゴジラが東京を襲撃する話。

老人「あれはゴジラかもしれん……」
若い女「まーた、おじいさんのいつものやつが始まった! そんな言い伝え本当にあるもんかよ」

ゴジラが現れた漁村での会話(意訳)が新鮮。
今、ゴジラという言葉をそんな意味に使うやりとりはゴジラ映画が公開されていないパラレルワールドの日本に行かないとあり得ない。
それほどまでにゴジラは日本で架空怪獣のアイコンとして浸透している。

出現したゴジラを退治しようとしたことが逆に怒りに火をつけ、ゴジラは東京へ襲来する。
自然を無理にねじ伏せると、それが数倍になってこちらに跳ね返ってくる。
そして最後は、水爆で生まれた怪獣を水爆以上の兵器によって倒そうとする。

兵器はいったん使われると歯止めが効かない。
目の前の不幸をどの程度として捉えるか。
目の前の不幸をなくすための行動(戦争)が、より大きくエスカレーションして跳返ってこないか……現在も続く人類の普遍的な問題。

しかし、そんなことを、この時代にこういう映画が作られたことを忖度(そんたく)しながら観ないと、苦痛で観ていられない。
だって今の基準からすると、演技もわざとらしいし展開もモタモタしているし……

最後、骸骨が出てきたときは失礼ながら笑ってしまった。

【食】14年08月25日

朝食、トマトとツルムラサキのおひたし、餃子、生ハムとチーズとレタスのサラダ、ゴマネギ豆腐。
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昼食、ハッシュドポテトとチキンナゲットとぬか漬け、ビーフとトマトとレタスのサラダ、サーモンと玉葱のマリネ、ハンバーグ。
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夕食、豆乳にフルーツグラノーラ。
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【日記】14年08月25日 体重60.6kg

五時起床。
今日はまた一段と粘り気の強い眠気。
ところてんをかき分けるように寝室から自室へ向かう。

空から地面いっぱいにまで膨れ上がった灰色の雲。
今にも雨が吹き出しそうな空気。
この一〇日間ずっと毎朝ジョギングを続けていたことだし、今日は天気も悪いので筋肉を休めることにする。
七時頃、道路を覗くと傘をさした人が往来している。
小雨が降ったり止んだり。

一日中、漫画のキャラクターデザインを描いているがどうも集中できない。

午後、業務用の市場へ自転車で買い物に向かう途中、派手に転ぶ。
肩、手のひら、足に擦り傷と打ち身。
痛みを我慢しながら買い物。
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二二時半就寝、手足の痛みで何度も目覚める。


こんなもの食べた!・・・14年08月25日

こんな映画を観た!・・・14年08月25日
【映画】『ペイン&ゲイン 史上最低の一攫千金』:DVDで鑑賞。

こんな本を読んだ!・・・14年08月25日
【本】『 I【アイ】(全3)』いがらしみきお
【本】『アンダーカレント』豊田徹也

【映画】『ペイン&ゲイン 史上最低の一攫千金』

脳筋肉なジムのトレーナーが同じく脳筋肉な仲間とともに一攫千金を狙う話。

カット割りが多すぎて落ち着いて観ることができない。
ここまで多くすることの意味は観客を映画世界に没入させるというより、演出された作り物だということを強調したいためだろうか。

画面の端に黒いものが見切れたり、登場人物が意味ありげに顔を振るところが画面の端でおさまり悪く切れてしまったり、ガサツな演出が多い。
おそらくアドリブ感覚、未完成な部分を残したままの「今、この瞬間のリアル感」を醸し出しだすためだとは思うが……そういうノイジーな情報も含め、情報過多で最初に起こった出来事を覚えることができないほど。

アメリカ人のマッチョな上昇志向を徹底的に皮肉っている。
作戦の失敗をごまかすためにより大きな犯罪に手を染めていく様の既視感。
「お前が悪い!」と八つ当たりして、仲間内で責任転嫁を繰り返す。
ああ、イラク戦争下のこれブッシュ政権でよく見た光景だ。

こういう映画を自覚的に作るということはマイケル・ベイ監督、おそらく『トランスフォーマー』シリーズのデタラメさも確信犯なのだろう。
「みんなが気に入りそうな映画を、周囲の要望をできるかぎり入れて作ったらこんなん出来てしまいました!」と半笑いで言うような。

【本】『 I【アイ】(全3)』いがらしみきお

途方もない能力を持った少年イサオと医者の息子雅彦の出会いから老境を迎えるまでの話。

途方もない物語が始まったのかと思わせて、
三巻では着地するところに着地した印象。

平凡な家庭から出て流浪の人生を歩み、盲目、聾者の陶芸家となり、最後は東北大震災で家族を失う雅彦。
新興宗教の教祖然とした振る舞いのイサオの方が社会性がある。

ラスト近くに登場するセリフ、
「全部言葉だべよ」
は映画『マトリックス』の電脳空間を想起させる。

マトリックスではそれを自由に扱えるものが救世主なのだが、この漫画では目で見える人が神を見ることができ、言葉で見てしまう人は神を見ることができない。

……一晩たっても自分の中でこの漫画を言葉で整理することができないのだが、それはやはり神に関する物語だからなのだろうか。

【本】『アンダーカレント』豊田徹也

夫が失踪した風呂屋のおかみは、水の中で自分の首が絞められる、そんな白昼夢を繰り返し見るのだった……そんな話。

精緻な表現。
日常描写。
個人的苦悩を掘り下げることによって生まれる逆説のような普遍性。

う〜ん嫌いではないけど、僕の立ち位置からかなり遠くにある作品だ。
何もなくてもドタバタ走り回る、座敷童のような自分だから。
全く僕の日常には繊細さの欠片もない。

【映画】『ザ・ミッション 非情の掟』

マフィアのボスを守るため集められた五人のボディーガードたちのプロ魂と友情の物語。

銃を撃つとき予備動作なしに平然と撃つくせ、隣の男の銃声には両手を上げて「コワイコワイ」とおどけるような感じ、実際に黒社会の空気がこうなのかはわからないけれど、イメージとしてのリアル感は伝わってくる。

心の動きの変化をセリフを使わずにジェスチャーだけであらわす部分が多く、それがまたカッコイイ!

トー監督のいつものギミックあり銃撃戦、今回の舞台はショッピングモールの構造を利用した敵味方乱れるアクション。

予想斜め上を行く展開、最後まで飽きずに観ることが出来た。
大満足。

【映画】『サスペリア』

伝統あるバレエの寄宿学校で起こる不気味な出来事の裏には……という話。

冒頭、飛行機の到着口から現れる主人公、内側から照らす赤い照明。
意味ありげにカットを変え何度もなめるように映される空港の自動ドアはギロチンのよう。
豪雨。
言葉が通じないタクシーの運転手。
全てが普通にあることなのに、ずっとスリリングな音楽がかかり、恐ろしく演出されている。
冒頭からテンションが高い。

異世界観を演出しているためか室内は広角で撮影されており、登場人物を追ってカメラが横に移動すると画面の端がぐんにゃりと歪む。
登場人物が窓の外を見るだけで「チャララーン!」とかん高い電子音。

……演出のやかましさに僕はうんざりしてくる。

音楽の雰囲気は『エクソシスト』のテーマ曲、マイク・オールドフィールド『チューブラー・ベルズ(パート1)』と似ている。
この映画『サスペリア』もオールドフィールド氏と同じプログレッシブ・ロックつながりのバンド、ゴブリン。
今となっては古めかしく感じるが、公開当時はこういう電子音楽が最先端だったのだろうか。

さらに盲目のピアノ演奏者が死んだ後、どんなシーンにもうっすらとピアノ音がかぶさる演出。
テレビの音量を変えても一定の音量で何処かから聞こえてくる。
怖い。
どんな巧みな演出だ……と感心していると、しばらくして近所で誰かが練習しているピアノ音だったことがわかる。

ラスト、主人公がとうとう敵ボスと対峙することになるが、その姿は透明で見えない。
姿が見えない敵は倒せない……主人公が恐怖に悲鳴を上げる。
敵ボスは高笑いをする。
窓の外で雷が光る。
そのたびに雷光に照らされ敵ボスの輪郭線もビカビカと光る。

「見えてるやん!」

案の定、敵ボスの居場所は主人公にばれ、あっさり倒されてしまうのだった。
なんなんだ。

【日記】14年08月26日 体重60.7kg

五時起床。
ジョギングに出ようと外に出た途端、小雨が降りだしたので自宅に引き返す。

日中、ずっと資料を読みながら漫画のシナリオを書いている。
ようやくスイッチが入ってきて、パズルのようにいろんな部分のピースがピッタリとはまりだす。
ようやく脳内麻薬が出てくる。
二二時半就寝。


こんなもの食べた!・・・14年08月26日

こんな映画を観た!・・・14年08月26日
【映画】『ザ・ミッション 非情の掟』:DVDで鑑賞。
【映画】『サスペリア』:DVDで鑑賞。

【食】14年08月26日

朝食、ハンバーグ、サツマイモとハッシュドポテトとチキンナゲット、サーモンと玉ネギのマリネのせトマトとビーフとレタスのサラダ。
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昼食、ハヤシライス、タコとサーモンと玉ネギのマリネのせトマトとレタスのサラダ、ハッシュドポテト。
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夕食、豆乳にフルーツグラノーラ。
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【日記】14年08月27日 体重60.8kg

五時起床。
朝起きると、悲しげに雨が降っている。
朝、シナリオを描いている。
一進一退。
昼過ぎより、情報の足りない部分を資料から補おうとするが、そんな生易しい内容でなく、じっくりメモをしながら読んでもなかなか理解できない。
夕方、小雨が降る中、業務用スーパーに買い物。
帰宅してから、鶏肉と豚肉を、買ったものを詰める台の上に忘れたことに気づく。
慌てて取りに戻ると誰かが持って帰ってしまったようで、すでにもう無くなっている。
(売り場にも戻されてなかった)
雨に泣き濡れて帰る。

二三時就寝。


こんなもの食べた!・・・14年08月27日

こんな映画を観た!・・・14年08月27日
【映画】『セブン・イヤーズ・イン・チベット』:DVDで鑑賞。

こんな本を読んだ!・・・14年08月27日
【本】『よくわかるフロイトの精神分析』久能徹・太田裕一
【本】『人さまざま』テオプラストス

【食】14年08月27日

朝食、ソーセージとチキンナゲットとハッシュドポテト、メンマ、豆腐、生ハムと煮玉子とトマトとレタスのサラダ。
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昼食、ジャガイモ、焼きサバ、ささみのチキンナゲット風、チキンと海藻と玉ネギとトマトとレタスのサラダ。
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夕食、豆乳にフルーツグラノーラ。
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【本】『よくわかるフロイトの精神分析』久能徹・太田裕一

精神分析、それの用語について知る必要があったので読んでみる。

やっぱり精神分析は科学とはいえない、芸術、文学の領域だと再認識。

精神分析の資格をとるためには、
大学院卒業資格を持っていることが前提で、
五年の臨床経験を受け、
セミナーを受けたり審査のための精神分析を一年受け、
訓練分析を二年以上受け、
スーパービジョンという上級者の指導を受けながら二年以上継続して二例の精神分析を行う必要があり……資格を得た頃には四〇歳を越えてしまうのもザラとのこと。
一三年現在、全国に三七名しかいない。

お金も時間もかかるし、そこまで信じなければできないことって、やっぱり芸術、文学……そして宗教みたいだ。

【映画】『セブン・イヤーズ・イン・チベット』

オーストラリア人の探検家が第二次大戦のどさくさで七年間チベットで過ごすことになったという話。

こういうアジア人がいたらいいなあ、というアメリカ人の理想を押し付けられたような印象。

主人公であるオーストリア人/ドイツ人が英語で会話することは、(よくないけど)まあいいとして。
文明が届いていないところ、チベットの奥地の人はわけのわからない言葉を喋っていて、文明化している人は英語で喋るって、そんな演出をする神経を疑う。
ダライ・ラマが幼少から英才教育受けていたにしろ、主人公と出会った時点で流暢な英語で語りかけてくるのは不自然過ぎる。

『G.I.ジョー』で、東京と思しきスラム街で日本語で話そうとする少年に「失礼だ、ちゃんとした言葉で話しなさい」と老師が英語で話すよう促してきたり、
『ラスト・サムライ』の御前会議で閣僚がろくに英語を話せない中、明治天皇が英語で話しかけてきたり……霊的に高いレベルにいる人は、当然のように英語を喋ることができるとアメリカ人は思っている、ように見えてしまう。

それでもこの映画の最初のほうは、留学経験者や大臣レベルしかチベット界隈で英語を話せる人がいなかったのに、途中ぐらいから猫も杓子も英語を話し始める。
中国人とチベット人の交渉も英語。
そのへんに歩いている老婆も英語。
工事現場のおっちゃんまで「ミミズがいるから工事ができない!」って英語で訴えはじめる。
じゃあ最初の方の言葉の伝わらなさは何だったんだ。

わかりやすすぎる反共プロパガンダも疑問。
大事な話し合いに訪れた中国の軍人は
「何日もかけて砂で曼荼羅を作りました」
とチベット側から説明されたらわざと軍靴で踏みにじりながらその上を歩いていく。
こんなわざとらしいぐらいの悪いことを本当にしたのだろうか?

その後、幼いダライ・ラマが真摯に話し合いに応じたにも関わらず、軍人は「宗教は毒だ」とだけ吐き捨てて去っていく。
これは一九五三年に北京で毛沢東がダライ・ラマに会ったとき
「宗教は毒だ」
と語ったという有名なエピソードから引用したものだが……ということは、やはり映画のこのエピソードそのものは事実から大きく脚色されて作られていることの証左じゃないか。

こういうシーンを映画で描写するなら、高い精度で真実を反映しないと、その一点から説得力が崩れていく。
中国が悪逆の限り尽くしている描写を観ても、この映画の中ではそういうプロパガンダに見えて今ひとつ信頼できない。

中国共産党が素晴らしいわけではないが、日本も同じことを中国で行ったわけで、そして欧米も世界中で大なり小なり、侵略と文化破壊を行ってきたわけで、世界中の国々がそういう連鎖の中にある。
日本の中だけに限定しても明治維新のときに改革の中、たくさん過去からつながるものを破壊した。

少なくともその瞬間は悪意だけで破壊するわけでなく、程度の差こそあれ基本的にはよかれと思っているわけで、相対化するような描き方をせず、一方的に善悪の対立を描くやりかたはいただけない。

そんなイデオロギー的なことはともかくとして、
偏屈で自分勝手な主人公が、チベット人の触れ合いを通して変化していく成長譚としては素晴らしい出来。
むしろそれだけならよかったのに。

【日記】14年08月28日 体重59.9kg

五時起床。
シャワーを浴びてから外を見るとずっと冷たい雨が降り続いている。
もう四日、朝に雨が降っているてジョギングできない。
今年はあきらかに冷夏じゃないか。
午前中は資料を読み、午後はシナリオ。
今日はかなり物語の確信に迫ったと思う。
夕方、業務用の市場で買い物。

二二時半就寝。


こんなもの食べた!・・・14年08月28日

こんな映画を観た!・・・14年08月28日
【映画】『羊たちの沈黙』:DVDで鑑賞。

こんな本を読んだ!・・・14年08月28日
【本】『面白いほどよくわかるフロイトの精神分析』立木康介 (監修)

【本】『面白いほどよくわかるフロイトの精神分析』立木康介 (監修)

面白いほどよくわかったのかはわからないが、少なくとも専門用語については一定レベルの理解ができた。

用語の説明が丁寧でこの手の入門書のなかでは最も役に立ったように思う。
(あくまで僕の好みだが)

本書とは直接関係ないのだが、専門用語を知れば知るほど細かい言葉の由来が気になってくる。
たとえばユング「分析心理学」だが、他の心理学だって分析するわけで、より多く分析するのか分析の仕方が違うのか、どうして無印の「分析」とだけ特記することになったのか。
今となっては理解し難い。

【映画】『羊たちの沈黙』

FBI訓練生が猟奇殺人犯で元精神科医との交流の中で連続殺人事件の真相に迫る話。

サスペンス版『スターウォーズ』といったような趣。

レクター博士に対して誠意で接することで見返りを得ることができる。
逆に利用しようとするとこっぴどい目に遭う。
平素の訓練とレクター博士の霊的指導により、主人公のクラリスは成長していく。

クライマックス、デス・スター最深部に侵入するがごとく、クラシスは殺人犯の自宅地下に潜入する。
危機に陥るが、それまでの経験を活かすことによってクラリスは無事、生還する。

ラスト、オビ=ワン・ケノービが肉体は消えた状態にあっても霊的な指導を続けるように、クラリスに電話で声をかけるレクター教授。

『スターウォーズ』的な展開をなぞるならきっと次回作では、主要登場人物の誰かが腕を切り落とされるのだろう……と予想してみる。

【日記】14年08月29日 体重59.9kg

五時起床。
この時刻に目覚めると外は真っ暗、雨が降り続いている。
シャワーを浴びてから脱衣場に出ると寒さに震える。

雨の日は陰鬱な気持ちになる。
そしてずっとこの五日間雨が続いている。

地上近くまで垂れ下がった雲の下を潜水艦のように走り、外出。
九時三〇分よりユナイテッド・シネマとしまえんにて映画鑑賞。
帰宅ついでに銀行で家賃を振り込んでから帰宅。

一日、漫画のシナリオ。

昼過ぎ雨がやんだので、具合の悪い空を気にしながら外に出る。
一五時二七分より公園を三九分ジョギング。
走っていると、シナリオで詰まっていた部分の解決方法が次々と浮かんでくる。
やっぱり気分転換は必要だ。
Gentle Giantのアルバム「In A Glass House」を聴きながら走る。
……このバンドはあまり肌に合わないみたいだ。

二二時就寝。


こんなもの食べた!・・・14年08月29日

こんな映画を観た!・・・14年08月29日
【映画】『LUCY/ルーシー』:ユナイテッド・シネマとしまえんで鑑賞。

【映画】『LUCY/ルーシー』:ユナイテッド・シネマとしまえんで鑑賞

運び屋にされてしまった女性が事故に遭い、ドラッグを体内に吸収することで脳の未使用部分を解放、途方もない力を得る……という話。

脳の使用領域が広がっていくに連れスカーレット・ヨハンソン演じる女性がすごい超能力を発揮するようになる理屈がわからない。

イルカが人の倍(人は普段一〇パーセント)二〇パーセント脳を使うことによって得た能力は、音波を感じる高性能な体内ソナーを使うことができるぐらいのこと。
それなのに人が脳の力を一〇〇パーセント発揮することで、場所や時空を超えて神のような力を得ることができるって論理の飛躍にもほどがある。

そもそもスカーレット・ヨハンソンが覚醒した後も言動に知性が感じられない。
行き当たりばったりの行動で計画性がなく、強引に超能力で実行しているだけ。

スペースオペラ『キャプテン・フューチャー』における主人公である天才の表現がすごい道具を発明するぐらいのことだったが、この映画の超知性の表現も同じレベル、超能力とすごいスピードの情報処理だけで思考レベルは一般人と変わらない。

製作者か考える以上のことは表現できないのはそうだけれども、観客はそれを上回る何かを期待するから映画を観に行くわけで、もう少しこころざし高く頭を使って考えてくれよ、と思う。

スカーレット・ヨハンソンのそこはかとなく漂う「はすっぱ感」は好き。

【日記】14年08月30日 体重59.7kg

五時半起床。
いったん目覚めて仕事部屋へ、そこで座椅子に横たわってまた二度寝。
寒さに身体が起きることを拒否している。

今日にてシナリオいったん終了。
まだ未完成の部分があるが、これ以上絵のないレベルで触っていても仕方ないので、ネームの段階へ移ることにする。

夕方から外出。
新大塚の図書館で資料の返却貸出、新宿へ移動してTSUTAYAでDVDの返却貸出、四谷三丁目駅近くのめん屋「いなば」四谷店にてつけ麺を食した後、クロッキー会へ。
何となく脳と手のつながりがよくなってきたような気がする。
2014-08-31-07.03.08

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二一時半帰宅。

二二時半就寝。


こんなもの食べた!・・・14年08月30日

【映画】『ジャイアンツ』

保守的な風土テキサスへ嫁いだ女性が理想を失わず家族とともに成長していく話。

登場人物がみな多面性を持っていて、ひとつの言葉で表現できない。

レズリー(エリザベス・テイラー)は保守的な土地柄でも自分の理想を守ろうとして、夫のジョーダンと対立する。
夫のジョーダン(ロック・ハドソン)はその土地柄を象徴する保守的、権威主義的、差別主義的。

理想主義と保守主義、二人を結びつけるものは愛の一点のみ。

ジェット(ジェームズ・ディーン)は、学はないが新しい価値観を持っていて、保守的で世間体を気にするティラーの夫より多様性があるように描かれている。

途中、価値観の違う夫とすれ違いになり、エリザベス・テイラーとジェームズ・ディーンが結ばれるのかと思ったら違う方向に。

ジェームズ・ディーンは成金となり理想を見失っていく。
「メキシコ女を妻にした具合はどうだ」
とティラーの息子を侮辱する。

変化するものと変化しないものがこの映画では重要なのだろう。

人間は立ち止まっているように見えても足元を流れる泥土(時間)に引きずられていくように、少しずつ流されて(変化して)いく。
三歩進んで二歩下がるように揺り返しを繰り返しながら。

変化することが必然の世界において「時代に抗う」ことが「変化しないこと」で、守るものを守りきった男は他の一様に変化している人達と比べると、実は相対的に「別の方向へ変化している」のかもしれない。

静電気は「運命の出会い」の表現。

【本】『精神分析入門・夢判断 (まんがで読破)』ジークムント・フロイト (著) バラエティアートワークス(企画・漫画)

フロイトの代表作『精神分析入門』『夢判断』を伝記も交えて漫画化。

あの膨大な内容をどうやってまとめたのかと思って読んでみたら、まあそのぐらいの内容でしょうな、という感じ。
あまりにも常識的すぎて特記すべきこともない内容。
現代ではもはや、潜在意識、コンプレックス、ナルシズム……などという精神分析で生み出された概念は、本や映画を読み解いたりするときの前提となっている。

普段から本を読まないような人なら、この本を読んで得るところもあるだろけれど……