途中までは難解でなくむしろわかりやすく読みやすい内容だったが、ラストで一気にわからなくなった。
解説によると『トリスタンとイゾルデ』をモチーフに読み解く物語らしいが、そもそもその原典がそこまで日本の人口に膾炙しているとはいえない。
(僕もあらすじをかろうじて知っているのみ)
解説を読んでもとうてい理解できたとは言えない有り様。
五時起床。
朝、ジョギングに出ると霧雨が身体にパラパラあたり、走ることを断念。
仰向けになって落ちている死んだセミを拾って帰宅。
図書館で資料の返却、貸出ついでで走ることに。
一〇時一分より公園を二六分ジョギング。
湿った草木の匂いが夏を実感させてくれる。
Dream Theaterのアルバム「Images And Words」を聴きながら走る。
帰宅するとセミが復活している。
目を離しているあいだに、部屋のどこかに隠れてしまう。
「ブブブ!」と羽ばたく音だけ聞こえる。
カーテンの裏にしがみついていたセミを見つけたので、窓の外に放り投げると空に向かって消えていった。
まだ残っているシナリオの問題点を解決するため、資料本をずっと読んでいる。
二二時就寝。
こんなもの食べた!・・・14年08月17日
こんな映画を観た!・・・14年08月17日
【映画】『ハンナとその姉妹』:DVDで鑑賞。
こんな本を読んだ!・・・14年08月17日
【本】『不思議の国のアリス』ルイス・キャロル ヤン・シュヴァンクマイエル(挿画)
【本】『鏡の国のアリス』ルイス・キャロル ヤン・シュヴァンクマイエル(挿画)
【本】『読書は「アウトプット」が99%』藤井孝一
【本】『ドリームマスター』ロジャー・ゼラズニイ
五時起床。
五時九分より公園を三七分ジョギング。
朝起きると、いつもよりあきらかに体が軽くてスイスイ走ることができるのに驚く。
僕の身長で六〇キロを切ると、膝の負担が一気に少なくなる。
曇り空。
せっかく地面から這い出してきたのに、明るくなっても脱皮できず道路を這っているセミの幼虫を見つけては樹にそっと添える。
僕はそんなボランティア。
Dream Theaterのアルバム「Awake」を聴きながら走る。
悪くないんだけど、普通。
午前、業務用スーパーで買い物。
その後はずっと漫画のシナリオ。
夜、先週脱稿したイラストが編集部から連絡あって修正することに。
よくよく聞いていると、その修正は意味が無い……修正するとイラストとして意味がなくなるのでむしろ全ボツにしなければならない、ということに気づき茫然となる。
夜、腹部の激痛に襲われ、布団の上で悪い汗を垂れ流しもがいている。
しばらくすると少しおさまるが、鈍痛は消えることなくゆるやかに続く。
二一時半就寝。
こんなもの食べた!・・・14年08月18日
こんな映画を観た!・・・14年08月18日
【映画】『ドライビングMissデイジー』:DVDで鑑賞。
【映画】『アニマトリックス 』:DVDで鑑賞。
こんな本を読んだ!・・・14年08月18日
【本】『拳闘暗黒伝セスタス(1)』技来静也
企業経営者の兄弟が「遺伝か育ちか」の賭けで、従業員の育ちのいい白人エリート社員とチンピラ不良黒人の立場を入れ替える実験をする話。
全ての因果が綺麗に構成されているのに、今ひとつ葛藤が少なく感じる。
白人エリート社員を拾った売春婦が好いていく過程が唐突だし、不良黒人がいきなりエリートになってバリバリ働くのもよくわからない。
間にあとワンクッション挟めば納得できるのだが、どうもうまく絡み合っていない印象。
自分たちをはめた相手をみんなが力を合わせて倒すシーンもゴリラ伏線があまりにもこれみよがし過ぎてうまく生かされていないし。
同監督の『サボテン・ブラザーズ』も大筋面白かったのに今ひとつ話に入り込めなかった。
僕とどこかリズムが違うということなのだろう。
五時起床。
五時一一分より四一分公園を分ジョギング。
Eduard Artemievのアルバム「Warmth of Earth」を聴きながら走る。
前日ボツを食らったイラストのラフ案を練って、九時に家を出て地下鉄大江戸線大門駅へ向かう。
駅前の喫茶店で打ち合わせ。
その後、新大塚の図書館に寄って資料本を返却、貸出してから駅前のラーメン屋で昼食。
店から出ると、ケーブルテレビのインタビューで料理の感想を求められる。
「芳醇な味が口の中いっぱいに広がって癖になってます」
一四時に帰宅、至急、原稿を仕上げ夕方に編集部へ脱稿。
二三時過ぎ、寝室に入るけれどもなかなか眠ることができず、ずっと寝返りを打っている。
こんなもの食べた!・・・14年08月19日
こんな映画を観た!・・・14年08月19日
【映画】『大逆転』:DVDで鑑賞。
こんな本を読んだ!・・・14年08月19日
【本】『ヒグチユウコ作品集』ヒグチユウコ
ワープするゲートをくぐり抜け、その世界で一番大きな街に移動する。
俯瞰で見るといかにもゲームの街っぽい雰囲気なのだが、近づいてよく見ると、日本のさびれた田舎町っぽく仕上げられていることがわかる。
現実とほぼ変わらない精度の街並み、興味深く道を移動しながら建物を見ている。
ためしにビル一階のテナントの扉を開けて中をのぞくと、扉に垂直にぎっしりと雑貨が天井まで積まれていて入ることができない。
これはこれでボロが出ないよううまく処理されている、と僕は感心する。
さらに通りを移動すると、コンピュータで処理された群衆で埋めつくされている。
白黒映像で戦前風の格好した人々は写真なので動きはない。
いつのまにか、僕は建物の上からその光景を俯瞰で見ている。
眠りが浅く、ずっと半覚醒状態で夢と夏布団の狭間でうつらうつらしている。
眠りに集中できないので諦めて四時半時起床。
四時五八分より公園を三五分ジョギング。
八月のこの時刻はまだ日の出直前、さすがに薄暗い。
公園を一周して帰る頃にはダイナミックな朝焼けが背後から迫ってくる。
Faustのアルバム「Faust」を聴きながら走る。
プログレっぽいけれど、自分にひっかかるメロディーのようなものがない。
今描いている漫画の資料にと読んだ『精神分析学の誕生』が、難しくはない内容なのに頭の中に全く入っていこない。
精通していないジャンルの学問は、何が重要か何が重要でないのかわからないから系統立てて頭に入ってこないのだろう。
そこに至るまでどういう勉強すればよいのかもわからない、困ったものだ。
午後からプロット整理からシナリオの繰り返し。
二二時就寝。
こんなもの食べた!・・・14年08月20日
こんな映画を観た!・・・14年08月20日
【映画】『ミツバチのささやき』:ビデオテープで鑑賞。
こんな本を読んだ!・・・14年08月20日
【本】『精神分析学の誕生』L・シェルトーク R・ド・ソシュール
こんな夢を見た!・・・14年08月20日
【夢】僕は仮想空間でゲームを体験している。
「動物磁気」と呼ばれる精神療法からフロイトによる「無意識の発見」に至るまで、心理学が学問として成立するまでついて書かれている。
語られている言葉は難しくなく、むしろ平易な表現で書かれているにもかかわらず、僕の頭の中にちっとも入ってこない。
そもそも心理学がどういうものか、一般的に知られているレベルしかわからない。
学問としての素養が自分にはない。
だから何が重要で何が重要でないのか優先順位がわからないので、書かれている文章を目で追うことしかできない。
今は専門的に学ぶ余裕が(お金も時間も)ないのだが、教養として最低限、専門書を読むことができるようになるレベルの心理学を学ぶためにはどうしたらいいのだろうか。
独裁政権下のスペイン、ホラー映画『フランケンシュタイン』に夢中になった少女アナが、現実と幻想の狭間の世界で、自分の生きる道を見つけようとする話。
非常に強い感銘を受ける。
人生の中で記憶に残る数少ない映画。
宮崎駿氏の『となりのトトロ』がこの映画の影響があると言われているが、僕はこちらのほうがずっとお気に入り。
廃墟の納屋の前で心なさげなアナの佇まいが、身震いするほど愛おしい。
アナの姉イサベラはネコをからかって遊んでいる最中に引っかかれる。
イサベラは吹き出した血で唇に朱を塗る。
子供から成長して女が見える瞬間。
そして死んだふりをしてアナをからかう。
主人公は死を弄び、からかったイサベラを拒絶する。
そして、納屋での「精霊」との出会い、触れ合い……死。
自分が小さい頃、死ぬことが急に怖くなって眠れなくなった記憶が蘇る。
確かに幼かった頃こそ、生と死の距離を近く感じていた。
数年前からこの映画をずっと探していたのだが、この映画を観るための手段が極端に少なくて、最終的にTSUTAYA新宿店でビデオテープを借りてきて鑑賞した。
ビデオテープが傷んでいるためなのか、ビデオデッキが古いためなのか、そもそも元のフィルムが傷んでいるためなのか、鑑賞中、常に画面がぶるぶる震えていた。
一番ラスト、「精霊」と邂逅するシーンもずっとアナはぶるぶる震えていていたのだが、それは実際の画面上の演出だったのだろうか?
アメリカ人の新聞記者がカンボジアに関するスクープ記事が評価された栄光の瞬間、彼のために尽力したカンボジア人は独裁政権下で悲惨な生活を送っていた……という話。
僕は昔、本多勝一氏の愛読者だった。
登山のルポルタージュから始まって、エスキモー、ニューギニア高地人、ベトナム戦争、中国、アメリカ……主要な書籍はほぼ目を通し、週刊金曜日も毎週読んでいた。
本多氏が書いたこの映画の批評も高校のときに目を通していた。
二〇年以上前のことだが、その激烈な罵倒は今でも印象に残っている。
今回、この映画を観て、その批評を読み直して、いかに的外れな批評を書いているのかもう、あきれ返るしかなかった。
いわく、主人公はカンボジア人を差別してい主従関係で扱っている。
いわく、それでもカンボジア人である記者はまだ人間として描いているが、それ以外のカンボジア人はステレオタイプのアジア蔑視的な描写をされている。
いわく、カンボジア虐殺の表層しか描いていない。
いわく、アメリカがあたかもベトナム人が虐殺に加担しているかのような情報操作が見受けられる……
この映画の作り手はそういうこともわかった上で全部作っている。
主人公がカメラを向けたとき微妙な表情を浮かべるカンボジア人記者、
カンボジア報道で受賞したときに素直に喜べない主人公、
それをなじる同僚、
アメリカ人とアジア人が同等でないからこそ、そういう偽善もわかった上で、だからどうするのかを考える映画でもあることをじゅうぶん以上に表現していると思う。
本多氏はそこまでの潔癖さを他人に求めるのなら、自分の先走ったカンボジアの報道をどう捉えているのだろうか。
少なくとも僕がポル・ポト政権のことを知ったのは本多氏の書籍で、それは当初、自国民大虐殺について懐疑的に描かれていた。
その後虐殺についての言及はされるが、先走った報道に関しては微修正をするだけで大きな謝罪は全くなかった。
映画という一二〇分前後の尺で全ての虐殺について描くことは不可能。
今、観ると商業的に成功するレベルの描写としては、相当、本質的なところまで到達しているとのではないか。
そもそも日本で、ここまでの規模で、資金、人的資源を使って、カンボジアについて描かれているものはあるだろうか。
しかも映画はかなり早い段階(1984年、虐殺の五年後)に作られているのだ。
変な思想を持つとここまで歪んだものの見方をしてしまうのか、と悲しくなるばかり。
自分が受けた本多勝一氏の影響とどう折り合いをつけていくのか、考えることが多い……そんな映画体験だった。
本多勝一氏の文章
無知な人々だけが感激する『キリング=フィールド』
http://www.geocities.co.jp/WallStreet/8442/research/cambodia/muchi.html
シンポジウム・映画『キリング・フィールド』の真実
http://www.geocities.co.jp/WallStreet/8442/research/cambodia/symposium.html
今年の夜は冷えることが多いのだが、今日は珍しく蒸し暑く、ベランダの戸を開け放して眠ってもなお寝苦しい。
五時起床。
五時五分より四四分公園を分ジョギング。
夏っぽい、熱せられた空気が地面の底にたまっていて、足でかき分けながら僕は走る。
公園の中央の石畳の上で白と黄土色のネコが二匹、いつも寝ている。
今朝は何があったのか、ネコはカラスと喧嘩している。
二匹の周囲を数匹のカラスが取り囲み、また一匹、一匹と舞い降り参戦していく。
Focusのアルバム「FOCUS III」を聴きながら走る。
非常にわかりやすいプログレ。
プログレとしてわかりやすいわけでなく、プログレなのにわかりやすいのだ。
聴いていて心地よいので他のアルバムも聴くことにする。
一日中、漫画のシナリオ。
幾つかのシーンを上手くまとめることができたが、全体としてキャラクターが薄いのでこれからどうまとめていくか非常に悩ましい。
二二時就寝。
こんなもの食べた!・・・14年08月21日
こんな映画を観た!・・・14年08月21日
【映画】『キリング・フィールド』:DVDで鑑賞。
フロイトの精神分析学を図を交えわかりやすく解説した本。
僕は心理学に関しては全くの素人で、専門書を読んでもぼんやりとしか理解できないので、まずは専門用語の意味を理解しようとこの入門書を読んでみる。
ノートにメモをしながら、わからないところはネットで調べ、行ったり来たりしながら時間をかけて読む。
僕はフロイトの精神分析は基本的には文学的/芸術的なものと考えている。
きつい言い方をすれば疑似科学。
科学的に反証できないことが多すぎて、科学の範疇に入れることができない。
しかし、そういう偏見が理解の妨げをしていることも確か。
帝国主義的言語という面だけで英語を勉強することに抵抗があって劣等生だった学生時代のように、思想的偏りが、とある学問を理解することを妨げることによって生まれる弊害を(人生も半ばを過ぎてもう遅いかもしれないが)、これからの自分は何とか排除していきたいものだ。
「そういうものの見方」と他人のものの見方に暖かく眼差しをもつことができるよう、許容量を広く持って行きたい。
……にしても今の基準からすると、フロイトは性的なものを過大評価し過ぎに見える。
食欲、睡眠欲、名誉欲、支配欲など本能による心の動きは性欲以外にもたくさんあると思う。
イヌやサルを見ていても性欲以外の欲望が見え隠れするのだけれども、精神分析学が誕生した一九世紀後半、進化論が知られていたにしろ、人間と動物が進化の過程で完全に分離しているような思い込みがまずありきで、進化の途中のグラデーションが見えなかったのだろうか。
ということはさておき、とりあえず勉強、勉強。
宇宙人と地球人のハーフ成恵と地球人のボーイフレンドの周囲で起こるSF的ドタバタを描いた漫画。
意外と情報量が多いので、普段漫画を読む倍の時間をかけて読了。
初期のSF風ドタバタも嫌いではないが、後期のシリアス風な展開も嫌いではない。
SFとして物語としての完成度よりも、恋愛のリアリティラインの低さが気になる。
いつも学校でイチャイチャしている成恵をいさめようとして、付き合ってもいないクラスメイト同士がキスしてみせるところ……普通そんなことするわけないだろ!
恥ずかしくて見ていられない。
現実、非現実にかかわらず著者の妄想をむき出しにしたイド(無意識)のようなものだと思えば、恥ずかしがらずさらけ出すことができるそれ自体すばらしい才能だと思う。
五時起床。
五時より公園を四五分ジョギング。
夏も半ばを過ぎて、いつも家をでる時刻に日の出が間に合わなくなってきた。
足元にはたくさんのセミが落ちており、秋の前兆が見え隠れする。
Frank Zappa & The Mothers Of Inventionのアルバム「One Size Fits All」を聴きながら走る。
……よくわからない。普通。
八時に家を出て、耳鼻科でアレルギー注射。
診察が終わって病院を出ると一一時半。
新大塚の図書館で資料を返却貸出をしてから帰宅。
午後は資料を読んで、シナリオを書いている。
二二時就寝。
こんなもの食べた!・・・14年08月22日
こんな映画を観た!・・・14年08月22日
【映画】『ふしぎの国のアリス』:DVDで鑑賞。
【映画】『ギルダ』:DVDで鑑賞。
こんな本を読んだ!・・・14年08月22日
【本】『フロイトの精神分析』鈴木晶
【本】『成恵の世界』丸川トモヒロ
長年誰も使わなかったせいか中は廃屋のようになっている。
家の中を歩きながら、自分が惑星探査のために派遣された隊員の一人で、この家が地球人の惑星基地だということを思い出す。
空気が薄く地球と大気の組成が異なる火星のような惑星。
ベランダのカーテンを開けると、外はゴミが堆積している荒野。
ゴミの上を這っている小さなヤモリのような生物を発見する。
生物がいないとされている惑星だったので、これは大発見でないかと他の隊員たちと話している。
いつのまにか時間経過、外は暗闇。
空気が薄い惑星なので、気温がどんどん下がっていく。
窓の外のゴミの山の上を、ティラノサウルスのような体型でニワトリぐらいの大きさの恐竜が走っている。
僕らは警戒して家の全ての窓を、光が漏れないようにカーテンで覆う。
時間経過して、ベランダのカーテンを少しあけて外を見ると、外は無数の恐竜の群れが蠢いている。
カーテンから少し漏れた光に集まってきたみたいだ。
隊員たち全員、恐怖に震えている。
朝になると恐竜は何処かに消えている。
何も食べるものがないので、鮭や鯵の頭を釘で板に打ちつけ外に干している。
保存食になるし、立てかけておくと家の目印にもなるのだ。