月別アーカイブ: 2014年8月

【本】『世界が終わってしまったあとの世界で(上下)』ニック・ハーカウェイ

文明が滅びつつある世界を描いたIF小説かと思って読んでいたら、上巻のラストから怒涛のセンス・オブ・ワンダー爆発な展開、一気にハイブローな世界観のSFに変わる。

物語とは往々にして自分探しの象徴であることが多いが、この物語はあるポイントを越えると、主人公の行動が比喩でなく本当の意味の自分探しに変わる。
上巻に描かれていたことが、その一点を越えてから読み直すと違った風景に見えるSF的にも物語的にも途方もない仕掛けだ。

饒舌過ぎてわかりにくい部分もあるが、全部通して読むと理解できるようになっている意外と親切設計。

青春一八切符で大阪から東京へ帰る鈍行の一〇時間ですら、読み切ることができないほど長くて重い内容だったが、そのスリリングな体験は何ものにも代え難かった。

【映画】『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』

主人公が父親とネブラスカへの旅を通じて、父親や周囲の人間のいろんな面、新しい事実を知って成長する物語。

久しぶりに訪れた故郷で暖かく出迎えてくれる、友達、親戚一同。
しかし宝クジの当選者だとわかると同時に本性を露わにする。

お金をたかろうとする親戚に、毅然として全て論破、
「ファック・ユー!」
と最後に言い放つ主人公の母親。
病室で横たわる父親の頬にそっとキスするところなど、冒頭の太った老婆の憎らしい雰囲気が霧散してしまうほど、可愛らしい。

一見とっつきにくいリアリストの兄や母親が本当は父親のことを考えていて、優しげに近寄ってくる親戚や友達こそ、底に打算や悪意がある。

そして一見、何も考えていないように見える父親。
子供のことを考えていないようで、女性のことも興味が無いようで、しかし、いい意味でも悪い意味でもその先入観は覆される。

物語の最深部に到達して初めて主人公は、父親が何故そこまでお金が欲しかったのか……その理由が自分たち子供のためであることを知る。

そしてラスト、ある行動を通じて主人公は現実で得難いものを手に入れ、帰還するのだ。

そういえば僕も先週、父親とふたり車で往復三時間、おじさんの墓参りに行ったのだが、相変わらずお互いのことを話さず、地名や昼飯に何を食べるか……ぐらいの会話しかできなかった。

『橿原市 ふたつの心がつながらない旅』だった。

【本】『誘爆発作(1~4)』岡村星

漫画を読んでひさびさにドキドキした。

絵や細部の不満点を吹き飛ばす、圧倒的なストーリーテリング。
いくつかのシーンではどうしても読み進めることができなくて、いったん本を閉じ心を落ち着かせてからまた開く……を繰り返してしまう。

こういう能力を持っている者同士が、その力を用いて猟奇事件を解決していく設定の漫画かと思いきや、堀尾省太『刻々』のような、ひとつの事象をとことん掘り下げるタイプの物語だった。

しかし二〇一一年に初めて単行本が出てからもう三年か。
四巻まで一気読みした僕ですら、
「まだこの先続きますのん!?」
と歯がゆく思うのに、リアルタイムで読んでいる読者の先の待ち遠しさと言ったらないだろう。

敵と味方のシーソーゲームがほぼ同レベルで拮抗しているので、僕の好みとしては、もっと敵の強さを圧倒的にして、何度も失敗してはふりだしに戻りつつ最後は知略を合わせてかろうじて打倒できるような『ジョジョの奇妙な冒険 第四部』のような展開なのだが、半年で単行本一冊という連載のスピードではそこまでカタルシスを先延ばしにすることができないか……

【日記】14年08月11日 体重60.8kg

六時起床。
何と、目覚ましが鳴り続けていたのに、起きることができなかった。
携帯電話のアラーム音ごときでは僕の眠りを妨げることはできない。
ってちっともよくないじゃん……

六時三五分より公園を三九分ジョギング。
昨日までの台風通り過ぎた痕跡で地面は葉や枝だらけ。
空を見上げると澄みわたり、強い風が肌に心地良い。
Peter Gabrielのアルバム「so」を聴きながら走る。
八〇年代っぽい、それ以上の感想は起こらない。

一〇時より歯医者。
二月から通っているのに、いっこうに症状が改善しない。
歯の根元に原因不明の痛み、この治療のために詰め物を外すと歯根が割れる可能性があるとか。
そうなったら入れ歯になるとかならないとか。
ずっと半年も様子をみているのだけれども……めまいがするほど憂鬱。

業務用スーパーで買い物してから帰宅。
午後からこまごまとした雑用。
なかなか仕事にまで辿りつかない。

二二時就寝。


こんなもの食べた!・・・14年08月11日

こんな映画を観た!・・・14年08月11日
【映画】『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』:DVDで鑑賞。

こんな本を読んだ!・・・14年08月11日
【本】『誘爆発作(1~4)』岡村星

【映画】『十二人の怒れる男』

パロディである筒井康隆『12人の浮かれる男』を中学一年で読んで、高校のときに演劇を芸術鑑賞で観て、今回が人生で暫定一番最後に観た『12人の怒れる男』。

陪審員が抱いていた先入観を相対化することによって(逆の視点もあるということを提示することによって)今まで見えなかった真実が炙りだされる。その過程の心の動きをリアルに映し出す、映画。

ミステリとしては完全に後出しジャンケン。
僕の知らない情報が次々と出てきて証拠が覆されても何か釈然としない。
だって、裁判を観たわけじゃなないんだもの。ここで言っている事自体がもしかしたら、無罪を訴えた主人公自身の強い偏見かもしれないわけで、しかもこの映画の中だけでは確認しようがない。

藤子・F・不二雄『流血鬼』みたいに(あるいはマシスン『地球最後の男』みたいに、半数の分水嶺を越えたら皆が一気に無罪に傾いていく様子が怖い。

ラストはやっぱり、意味ありげに主人公がニヤリと笑って終わってほしかった。
犯人と同じナイフを持っていたとことが何かの伏線で、主人公が実は真犯人で、事件を混乱させ迷宮入りさせるためにあえて仕組んだ行動だったら面白かったのに……

そもそも誰が殺したんだよ!

【本】『さよならダイノサウルス』ロバート・J.ソウヤー

予想していたよりはるかに荒唐無稽な内容だった。
小説というより漫画のようなリアリティー。
それもちょっと懐かしいSF漫画を読んでいるような。
宇宙人が地球人と極めて近い思考ルーチンで話すことも、今っぽくないところだろうか。

この小説は面白いかというと、それはじゅうぶん過ぎるぐらい面白い。
面白い前提でひとつひっかかったこと。

ダイノサウルスが滅んだわけが『宇宙戦争』みたく未来からもたらされた病原菌あるいはウィルスかと思っていたらそうではなかった。
実際にあったことや主人公に絡んだことから展開するならなるほどと思うのだが、ここではこの小説の中だけにある設定、実際にないことが前提になってダイノサウルスは滅ぶのだ。

う〜ん、納得がいかない……

【本】『星のポン子と豆腐屋れい子』小原愼司×トニーたけざき

何と! 表紙の絵と内容が全く異なるという……これはいったいどういう試み?

第一話で感情移入したらするだけ損をするという展開……この漫画はどう解釈したらいいのだろう? 
暴力的なまでのハッピーエンドも意図がわからない。
そこまで深い意味はなくて、肩の力を抜いて作った、ちょっと不思議な漫画、ということなのだろうか。
物語演出も漫画も抜群にうまくて読ませてしまうだけで混乱が増してしまう。

豆腐もあまり意味はないのかなあ……

【日記】14年08月12日 体重61kg

五時起床。
粘り気が強い眠気にからみつかれてなかなか目を覚ますことができない。

五時五分より公園を四五分ジョギング。
太陽がうずらの卵のような空をぼんやりと頼りなげに移動している。
Curved Airのアルバム「Air Conditioning」を聴きながら走る。
ヴァイオリンの音が意識をしゃんとさせてくれる。

一日ずっとクイズ漫画の原稿、夕方までに仕上げて脱稿。

映画を観ていると眠気に襲われ何度も意識が飛ぶ。
寝室に移動して本を読んでいると本格的に睡魔に襲われ、二二時就寝。


こんなもの食べた!・・・14年08月12日

こんな映画を観た!・・・14年08月12日
【映画】『十二人の怒れる男』:DVDで鑑賞。

こんな本を読んだ!・・・14年08月12日
【本】『星のポン子と豆腐屋れい子』小原愼司×トニーたけざき
【本】『さよならダイノサウルス』ロバート・J.ソウヤー

【日記】14年08月13日 体重60.9kg

五時起床。

五時五分より公園を四六分ジョギング。
今年は肌寒い。
夏なのに、朝走っていると寒さに挫けそうになる。
今年は涼しくて過ごしやすいけれども、一方で夏の醍醐味「酷暑」を味わえないことが残念だ。
Curved Airのアルバム「Phantasmagoria」を聴きながら走る。
安定して聴くことができる。よい感じ。

自転車で家を出て、九時半よりユナイテッド・シネマとしまえんにて映画鑑賞。
業務用スーパーに寄ってから一三時頃帰宅。
午後は漫画のネーム。
今のところかなりよい感じで進んでいる。
二二時就寝。


こんなもの食べた!・・・14年08月13日

こんな映画を観た!・・・14年08月13日
【映画】『トランスフォーマー ロストエイジ』:ユナイテッド・シネマとしまえんで鑑賞。

【映画】『トランスフォーマー ロストエイジ』:ユナイテッド・シネマとしまえんで鑑賞

映画が始まってすぐに途方もなく眠くなる。
中盤、宇宙船の中でも途方もなく眠くなる。
そしてラストに至るアクションでは頭が痛くなってただぼーっと観ているだけ。
これは、僕が観た全てのマイケル・ベイ監督映画で起こる現象。

下品なカーチェイス、下品なアクション。
何かギミックがあったり、伏線が重ねられているような繊細な演出はなく、出来事を全部足し算で増していくだけ。

時間が経過して次の場所に移ったら、はいどうぞ! 
また次の場所に移ったらはいどうぞ! 
はいどうぞ! はいどうぞ! はいどうぞ! と、こちらの許容量おかまいなしにどんどんてんこ盛りにアクションシーンを増していく。

椀子そばならぬ、椀子ラーメン二郎だ!

メカのデザインもあらゆるものが増し増しでトゲや突起や飾りがゴタゴタと過剰に装飾されていてもはや元の輪郭線がわからない。

これが世界で興行収入一〇〇〇億円超えだというから、いいものが必ずしもヒットするわけじゃないという現実に涙。

【夢】僕はナナフシを捕まえて握っている。

ふと痛みを感じる。
ナナフシの尾の先端が僕の手の中央に刺さっている。
慌ててナナフシを引き抜き放り投げる。
ナナフシは地面で激しく尾を震わせている。
刺された場所が丸く赤く腫れ上がる。
ナナフシは、僕の手のひらに卵を植えつけたみたいだ。
慌ててほじくり出そうとするがままならず、手のひらの腫れはさらに盛り上がっていく。
腫れを中心に緑色の細かい斑点が動いている。
卵から孵化しはじめた緑色の小さな幼虫が皮下を放射状に広がっているのだ。
皮膚の上から爪を立てて潰そうとするが、ダメージを与えることができない。
緑色の斑点が全身を覆い始める。

【日記】14年08月14日 体重60.6kg

五時起床。

五時三分より公園を四七分ジョギング。
涼しい。
これ以上寒くなったら、朝走ること自体が困難になりそうだ。
今日も、道路を見当違いの方向へ進むセミの幼虫をそっとつまんで樹の幹に添える。
Curved Airのアルバム「Lovechild」を聴きながら走る。
このアルバムは安定してよい感じ。実験的かつクラシカルかつロック。
その比率が非常に僕好み。

漫画のネーム(の前段階のシナリオ)を一日がかりで仕上げる。
ざっとひと通り完成はしたが、やっぱり自分はキャラクター造形が苦手だと強く実感。
キャラクターをどう肉付けしたらいいか思案している。

二一時半就寝。


こんなもの食べた!・・・14年08月14日

こんな映画を観た!・・・14年08月14日
【映画】『リベンジ・マッチ』:DVDで鑑賞。

こんな本を読んだ!・・・14年08月14日
【本】『ブラックホールを破壊せよ』 J・クレイグ・ ウィーラー

こんな夢を見た!・・・14年08月14日
【夢】僕はナナフシを捕まえて握っている。

【本】『ブラックホールを破壊せよ』 J・クレイグ・ ウィーラー

僕が高校のとき、父親が買ってきた本。

邦題は一九八五年ベストセラーになった『レッド・オクトーバーを追え!』を意識して無理やりつけられたもので、ばったもん臭プンプン、当時から面白くなさそうな本だな〜と思っていたのだが、とうとう二〇年以上も放ったらかしてしまった。
死ぬまで読むことがないだろうと思っていたが、実家に帰ったついでに持ち帰り今のうちに読むことにした。

天文学者が描くスパイが暗躍する科学サスペンス。
ストーリー的には特筆すべきところはないが、
天文学者(男)とCIAの情報分析官(女)の本筋に関係ないラブシーンが入ったり、
ラストで唐突に天文学者によって世界が救われたり、
作者が天文学者なだけに、おそらく自分を投影したであろうご都合主義展開に「ええかげんにせい!」と怒鳴りたくなる。

あとがきで、作者は本業の傍ら小説を書き続けるつもり、と書いているがネットで検索してもこれ以降の翻訳された小説は見つからない。
その理由は推して知るべし。

※ J・クレイグ・ ウィーラー氏のホームページ
http://www.as.utexas.edu/~wheel
アメリカではこのシリーズの続編が出版されているみたいです。

【映画】『リベンジ・マッチ』

老境にさしかかったスタローンとデ・ニーロがボクシングで勝負をする話。

コメディだが、物語の芯は真面目におさえているところに好感が持てる。
ライバル同士、昔の恋人、父と子……人間関係が全て鎖でつながっている。

老人同士が戦うから逆に、ちょっとしたことであの世行きな死闘の様相。

因果が途中まで拮抗していてどっちが勝ってもおかしくはなかったが、右目が悪いのにあえて戦うことでスタローンの因果が俄然有利になる。
しかし試合途中でスタローンの右目が悪いことを知ったがあえてそこは狙わず正々堂々と前から攻めていくことを選び、デ・ニーロの因果もまた有利になる。

因果のシーソーゲームが興味深い。

【日記】14年08月15日 体重60.2kg

五時起床。

五時八分より公園を四八分ジョギング。
昨夜の雨で公園が霞んでいる。
暗い森の向こうから鈍く輝くオレンジ色の光は、そこで妖精がダンスしているんじゃないかと思えるぐらい神秘的で、涙が溢れそうになる。
Dave Stewart & Barbara Gaskinのアルバム「The Big Idea」を聴きながら走る。
……普通のポップの印象。どういう部分がプログレ色?

朝、公園前図書館で資料の返却貸出、駅前のショッピングモールで買い物。
漫画のシナリオ推敲。
参考に映画を観たり本を読んだり。
まだまだ完成までに時間がかかりそう。

二二時就寝。


こんなもの食べた!・・・14年08月15日

こんな映画を観た!・・・14年08月15日
【映画】『マトリックス』:DVDで鑑賞。
【映画】『コイサンマン』:DVDで鑑賞。

こんな本を読んだ!・・・14年08月15日
【本】『手塚治虫 原画の秘密』手塚プロダクション (編集)

こんな夢を見た!・・・14年08月15日
【夢】僕は修学旅行で旅館に泊まっている。

【本】『手塚治虫 原画の秘密』手塚プロダクション (編集)

切り貼りにもほどがある。
コピーを使うとかや再編成しやすいコマ割りで描くとか何とかならなかったのか。
切り貼りを前提としている漫画の作り方がよくわからない。

記憶は最新の完成原稿で上書きされていくものだから、どういう推移で変更されていったのか、当の手塚氏も完全には把握できなかったのではないか。
手塚氏があと一五年、いや一〇年長く生きたならいち早く原稿をデジタル化したことだろう。
ここで行われていることのほぼ全てをデジタルで代替可能なことだから。
(しかも元の原稿から劣化することはなく、前の段階の原稿にも容易く戻すことができる)

シノプシス(あらすじ)メモからネーム、下描き、完成原稿、修正原稿、印刷された原稿
へのグラデーションが興味深い。

手塚氏が感性重視でなく理屈の人で、絵がセリフに従属している作り方をしていることがわかる。
紙に描いた絵に溺れることなく、物語側から漫画をしっかりとコントロールしている。

【映画】『マトリックス』

何度目か(数えきれない)の再鑑賞。

実はこの世界がコンピュータによって体験させられている仮想空間であることを知った主人公が、コンピュータ上のプログラムから人間を解放するため、戦いを始める話。

改めて観なおすと、基本的なハリウッド的な物語の作りかた(キャンベルの英雄神話)にかなり忠実だ。
そこがしっかりしているからいろんなワードやイメージを挿入しても破綻なく観ていられるのか、逆にいろんなワードやイメージの飛翔を俗なレベル(愛が世界を救う的な)の着地点におとしめているのか……あまりにも思い入れがありすぎてもはや僕には判断できない。

【映画】『コイサンマン』

欲望の象徴であるコーラの瓶を、砂漠の村落から世界の果てへ捨てに行く話。
プロットを抽象化すると「行って帰ってくる物語」で、まんま『ロード・オブ・ザ・リング』。

ドキュメンタリーかと思っていたら、かなりかっちりとシナリオに添って作られている。
早回し、ストップモーションの多用が新鮮。
意外とギャグが古くなっておらず何回か爆笑、細かいギャグもよく出来ていて唸ってしまう。

特典映像が興味深い。
主演ニカウ氏の住んでいる村落を訪れるドキュメンタリー。
ニカウ氏「真実と違うことをするのは正しいことじゃないと思った」
映画にスカウトされる前は、学校で庭師として働き、映画みたいに裸でなくシャツを着ていたとのこと。

スカウトされた理由について
ニカウ氏「不器量だから気に入ったんだろ? 私の顔は面白いから」
……サン族の他の人と顔の違いがわからない!

ドキュメンタリーでは村人が公民館でバイオのパソコン、ソニーのデジタルカメラを使っているところが撮影されている。
コーラの瓶どころの話じゃない。
でも家に帰ると、やっぱりみんなワラ小屋に住み砂の上で寝ていた。

【夢】僕は修学旅行で旅館に泊まっている。

その旅館に泊まっているのは僕だけで、他のクラスメイトは近所の旅館に別々に泊まっているみたいだ。
荷物を部屋に置いて近所を散策、自分の訪れた場所が浮遊している巨大な岩の上だということに気づく。
湖があったり山があったり直径数キロはある巨大な岩の塊。
何の作用で浮かんでいるかわからない。
風に流されないように隣の山からチェーンで繋がれ固定されている。
注意深く地面に手を当てると、自分のいる場所がゆるやかに大きく揺れていることがわかる。
浮遊力がなくなってこの岩が落下したら……考えているうちに恐怖で立っていられなくなる。

【日記】14年08月16日 体重60.2kg

五時起床。

五時四分より公園を四二分ジョギング。
ドラマチックな朝焼け。
前夜に雨が降り、空気が澄み切った状態で東空の地平線近くに雲が多いとこういう光景になるようだ。
David Bowieのアルバム「Low」を聴きながら走る。
特に何もひっかからない。

朝八時過ぎに家を出て、九時に大塚の図書館で本の返却貸出、新宿へ移動して世界堂で買い物、TSUTAYAでDVDのレンタル、ヨドバシカメラでパソコン周辺機器を購入、そのあと都営大江戸線で新宿駅から光が丘へ、帰宅。
午後は資料を読みシナリオを推敲している。
いくつかの問題が解決。

一八時から練馬へ僕合わせて三人の友達で飲みに行き、二二時半帰宅。
二三時就寝。


こんなもの食べた!・・・14年08月16日

こんな本を読んだ!・・・14年08月16日
【本】『頭の体操(19)』多湖輝:感想なし
【本】『頭の体操(20)』多湖輝:感想なし
【本】『頭の体操(22)』多湖輝:感想なし
【本】『頭の体操(23)』多湖輝:感想なし
【本】『サム・ロイドのパズル百科 (全3)』マーチン・ガードナー:感想なし
【本】『現代思想2004年1月号 特集=マトリックスの思想』

【本】『現代思想2004年1月号 特集=マトリックスの思想』

僕が哲学系の雑誌を買うときは、サブカル関係の特集が組まれたときだけ。
そんな浅い知識で手にとったこの本、『マトリックス』を俎上に載せ、社会から、文学から、テクノロジーから、文化から……そして哲学から、様々な識者が幅広い視点から論じているのだけれども、しょせん哲学的用語の語彙に乏しいこの僕の国語力、何度文章を繰り返し読んでも、内容を理解し難い。

映画『マトリックス』に関しては、DVDも、シナリオや絵コンテ、バックグラウンドとなるアメコミも所有しており、内容をほぼ暗記している僕なのに。

逆に、『マトリックス』を観ていなくても、哲学的用語に堪能で、こういう議論に慣れている人ならわかりやすいのだろうか?

「」の多用がうざい。

こういう本で、モーフィアスを演じる「ローレンス・フィッシュバーン」と「サミュエル・ジャクソン」を記述する「間違い」があるのはいかがなものか。
僕には「意味」のわからない難しい「言葉」で「論」じられていても、「実際」は「大したこと」を「書いて」いないんじゃないかと「思って」しま「う」。

【食】14年08月17日

朝食、ネギとタラの煮付け、ゴマ豆腐、タコと玉葱のマリネのせ煮玉子とカニカマとトマトとレタスのサラダ。
2014-08-17_054421.jpg

昼食、ネギとタラの煮付け、生ハムとトマトとルッコラのサラダ、ゴマネギ豆腐、チキンナゲット、ご飯。
2014-08-17_120900.jpg

夕食、豆乳にフルーツグラノーラ。
2014-08-17_175829.jpg

【本】『不思議の国のアリス』ルイス・キャロル ヤン・シュヴァンクマイエル(挿画)

ヤン・シュヴァンクマイエルのイラストが要らなすぎる。

昔からアリスはピンとこなくて、今回の再読もあまりピンとこなかった。
何よりも夢オチってのが安易でよくない!

夢前提で読み込むと逆に、夢というには整合性がありすぎて物語臭かったり。
『不思議の国のアリス』が何で人気があるのか、わからない。

【本】『鏡の国のアリス』ルイス・キャロル ヤン・シュヴァンクマイエル(挿画)

『不思議の国のアリス』は繰り返し何度も読んだが、こちらは初読。
広瀬正『鏡の国のアリス』(全然違う内容)を読んでいたので、知っているつもりだった。

『不思議の国のアリス』よりも起こる出来事の夢っぽさがリアル。
ただ、チェスの描写は多いにも関わらず、鏡のギミック描写の少なさがよくわからない。
鏡描写を消して、タイトルを『チェスの国のアリス』にしてもよかったのではないか。

ハンプティ・ダンプティがアリス絡みで中一の英語教科書に掲載されていたのだけれども、アリスが大きな穴に落ちていく記述、チェシャ猫が登場することから『不思議の国のアリス』の話かと思っていたら、ハンプティ・ダンプティが登場するのはこっちの方。
つまり教科書版はディズニー映画『不思議の国のアリス』のような両方のアリスの折衷案だった……
約三〇年越しに知った真実。

あと、ヤン・シュヴァンクマイエルのイラストが要らなすぎる。

【本】『読書は「アウトプット」が99%』藤井孝一

この本に書かれていることが、こういう考え方もあるうちのひとつ、ということもわかった上で……

読書を何かの役に立つものとして、取り上げる考え方は好きじゃない。

読書、あるいは映画、芸術鑑賞、音楽、文化に関わるもの全ては、楽しむことが主目的でそういうものを楽しむ余裕があるからこそ人生に深みが増すのではないか。
功利的な(手っ取り早く利益を得るため)目的中心で本を読むこと自体、それ(人生に深みを増すこと)を損なうような気がする。

漫画にしろ物語にしろ、副次的に何か役に立つこと自体は悪いことではないと思うけれど、主目的は目的がないこと、楽しむこと。

そもそも教養自体が娯楽であり、娯楽のために使う時間が生まれるということが文明が進化していることの証左。
ビジネスマンのまず読むべき本が、この本で紹介されているような自己実現に関係のあるものばかりだったら、人類の文明もまだまだ余裕がないのだなあ、と思ってしまう。

例えば科学……素粒子を抽出するための大型ハドロン衝突型加速器なるものをあれだけの時間、大きさ、人的資源、費用をかけて作るのは、直接的な目的があるからでなく、素粒子とは何ぞや、宇宙の果て、宇宙の始まりは? という知的好奇心が先だから。

即、得ることができる知識はサプリメントと同じ。
一見遠回りで関係のないところから栄養をとらないと本当の意味で身体のため(人間性、教養の深さに繋がらない)にならない。

……以上、そんな「アウトプット」をしてみました!