日別アーカイブ: 2014年7月13日

【映画】『エルマー・ガントリー/魅せられた男』

エルマー・ガントリーが売春婦にハメられ、スキャンダル写真が新聞に掲載された後の、大衆の手のひら返しがすごい。
仮にもキリスト教国家だから、
「あなたたちの中で罪を犯したことのない者が、まず、この女に石を投げなさい」
とイエスが言ったエピソードを知らぬはずがないのに、どんだけ居丈高で責めるんだ。
TwitterなどSNSの炎上は、ネット時代特有のものかと思っていたら、そうでもないのな。
そういえばカトリック国イタリアでも、ファシスト党幹部は吊るされ、民衆の晒し者にされているし。
教会を扱った映画なのにかえって、イエス・キリストから百万光年離れた人間を見てしまう皮肉さ。
この映画における最後の希望の光が、宗教を超えたところにあるエルマー・ガントリーの優しさだった、というのが何とも……

【本】『手塚治虫のえほん館(全4+別2)』手塚治虫

『もえよドラゴン』
『ねずみじょうど』
『空とぶラビ』
『かわいそうなぞう』
きわめて項数の少ない短編のオムニバス。それぞれあまり共通項がない。
人を喰ったような、絵と関係のない字だけのどんでん返しで唐突に終わったり、どういう意図か理解に苦しむものもある。

別巻について
『びいこちゃん』
『ビス・ビス・ビス星ものがたり』

『びいこちゃん』は五八年、『ビス・ビス……』は六三年頃で手塚氏の比較的初期の作品。
びいこちゃんは単独の読み切り絵本としては最も完成度が高い。絵の具が色あせているところ、が妙にノスタルジックな気持ちをかきたてさせる。
『ビス・ビス……』は前半は普通にSF風絵本だったのに、後半は『ハトよ天まで』や『オズマ隊長』のような絵物語に作風が変わる。ほぼ普通の漫画、カラーですらない。ところがラストはまた冒頭のような絵本に戻る。時間かページ数の都合? 
ひねりがあって起伏に富み、手塚氏の絵本の中では一番僕好み。

【本】★『みずは無間』六冬和生

みずははあくまでも象徴としての存在で、直接物語に絡んでくるわけではないのな。

何が起こるかわからないこういう物語だから、意識や記憶という概念は、現実のみずはと何処かでつながっていて、何らかのSF的トリックでみずははずっと生き続けていて、最後は主人公と彼女が再会する、みたいなハッピーエンドを想像していた。
ところがこういう物語にも関わらず、最終的なこの小説のリアリティラインは意外と高かった。自分が思っていたよりはるかにシビアな結末になってしまい、ちょっと不思議。
好きな部分、そうじゃない部分も含め、実にオリジナルな小説。
実はこうなんじゃないのか? いやこうくるのか……と展開を読んだりや裏を邪推したり、刺激的で、知的な遊びを楽しむことができた。

【日記】14年07月13日 体重62.3kg

五時起床。
相変わらず粘り気の強い眠気。

四時五八分より公園を四六分ジョギング。
はっきりしない、あやふやな天気。
公園にわらわらと集まる中高年、ジョギングを始める。
健康を求めて彷徨うその姿、ゾンビが脳を求めて移動しているがごとし。
Emerson Lake & Powellのアルバム「The Sprocket Sessions(Live in Concertリハーサル音源)」を聴きながら走る。
コンサートのリハーサル音源だから仕方ないが、音にエフェクトがかかりすぎて、お風呂の中で演奏しているみたいだ。
晩年のサルバドール・ダリが、初期の自分の絵の再生産を繰り返すように、往年のELPの曲ばかり演奏していてちょっと悲しい気持ちになる。

朝食、サツマイモ、胡麻豆腐、牛ハムと煮玉子とトマトとチーズとレタスの サラダ。
今日は朝から仕事。
昼食、こんにゃくステーキ、ご飯、サーモンとワカメとトマトとアボカドのサラダ。
資料本を仕事部屋で読んでいたが、気分転換に外出して樹の下のベンチで読んでいる。
用心したのだが、案の定と言ってよく蚊に刺されまくり、ほうほうの体で帰宅。
夕食、豆乳にフルーツグラノーラ、しめじとタマネギのバター炒め。

こんな本を読んだ!
『頭の体操(7~9)』多湖輝
『手塚治虫のえほん館(全4+別2)』手塚治虫
『みずは無間』六冬和生

DVDでこんな映画を観た!
『エルマー・ガントリー/魅せられた男』

二二時半就寝。