日別アーカイブ: 2014年5月6日

【本】『藤子・F・不二雄の発想術 』ドラえもんルーム

手塚氏についての研究書籍『一億人の手塚治虫』と同じような編集方針で、F氏の生前のインタビュー・エッセイ・漫画賞の講評等の言葉を再構成したもの。氏は自分を語ることが手塚氏ほど多くない(そもそもそういう作家ではない)ので元ネタが限定されていて、続けて読むと乱暴な接続だったり要点がぼやけていたりする。

生活をルーチン化してコンスタントに創作物を生産するところ、星新一氏を彷彿とさせる(イチロー氏も生活をルーチン化して自分の変化を管理しているという記事を読んだことがある)。手塚治虫氏はその逆だったし、自分の周りを見渡しても漫画家の中ではむしろこういう人が少数派。

発想術についてまとめメモ:
●たくさんのもの(表現物、経験含む)を見ろ。
●独創性を大切にしろ。
●職人意識(自己満足でなく他人を意識した)を持ってモノづくりをしろ。
●自分の好きなもの、楽しいことを大切にしろ。

……僕レベルからすれば相反することもあるしそもそも同時に幾つかのことを守ることができるほど余裕が無い。しかしこれら全てに忠実であろうとした人が藤子・F・不二雄氏だと思う。

【映画】『第三の男』

冒頭に淀川長治氏の解説、油断して流していたら……何と見どころ、ラストまで全部語ってしまい(ご丁寧にも背景にシーンのダイジェスト映像を流している!)、映画はその確認でしかなかった。解説は映画終了後につけてよ……
第三の男の正体が観る前からわかってしまったので、素直に楽しむことが出来なかった。正体があのねじり鉢巻でヒョットコみたいな表情でヒシャクから黄褐色の物質を周囲にまき散らしている男だったなんて。あ、それは第一六の男か。

【本】『藤子不二雄SF全短篇 (第2巻) 「みどりの守り神』藤子不二雄

「流血鬼」を初めて読んだとき、ハッピーエンド風に描かれたラストに恐怖したことを今でも思い出す。同化されることが子供心ながら恐ろしかった。
ドッジボールなんかやりたくないのに、やってない子を休み時間に強制的に参加させる不条理に個人の自由という言葉を知らず、言い返せずに泣きながらやらされた小学生のときの自分……やりたくないのに仲間はずれが怖くてドッジボール……
「いいね!」「リツィート」の自由意志を大切にしたい。

この短編シリーズを読んだ手塚治虫氏がかなり落ち込んだというが、確かに平均打率の高さは手塚氏を凌駕している。僕の中の短編漫画の教科書、いやバイブル。
個人的に「みどりの守り神」「山寺グラフィティ」「流血鬼」「絶滅の島」は殿堂入り。

【本】『性本能と水爆戦』道満晴明

2012年11月9日ぶりに再読。
僕はモノを擬人化した作品に滅法弱いんやな〜。性描写が必然性があり物語と絡み合っている。エロいのは苦手な僕だけどこれは超お気に入り。

メモ:
「アッカーネ」
乞食王子をモチーフ。

「♯」
楽器を女性に擬人化。

「トゲトゲ」
バケモノの手をした女の子、ラストの描き方が秀逸。

「SIDE SHOW」
シャム双生児の双子、サーカス、象男のエリック。

【本】『最後の性本能と水爆戦 』道満晴明

2012年11月9日ぶりに再読。
線が綺麗だし、女の子はかわいい。短編ひとつひとつの完成度が半端ない。しばらくこの本を教科書にしよう。

メモ:
「MUSE」
自分の選択が世界を滅ぼすとわかっていたら?
「妹の通夜」
妹のことを好きだったが声をかけることができなかった鬼がやってくる。置き土産。

【本】『地底国の怪人』手塚治虫

手塚氏の長編三作目。手塚氏いわく、戦後のストーリー漫画の嚆矢だとのこと。後に『地球トンネル』『アバンチュール21』でリメイクされている、その原型。リメイク含め地底シリーズを全部読んだが、今作が一番シンプルだ。
もともとは『トンネル』というタイトルだったらしいが出版社の要望でこのタイトルに変えたとのこと、そのせいかもしれないが誰が「怪人」なのか最後までわからなかった。

【本】『半神』萩尾望都

表題作『半神』が興味深い。タイトルが内容とマッチしているとは思わないが、ありえない前提からふくらませた問題を掘り下げてしまう萩尾氏の手腕にほとほと感心してしまう。
自分の身の回りのことに一般化するとどういうことを指しているのかイメージすることすら難しい。

【本】『超発明』真鍋博

なんと抑制的な筆致。人の手で描かれていないような無機質さ。三次元的な表現が見うけられず、氏のイラストに描かれている全てが二次元世界の住人。タッチをつけないよう製図ペンを使って描いているのだろうか、気になって調べたが画材は不明。現代でも氏が健在ならCGで描画しているのだろうか。かえって印刷に出るかで出ないかの微妙なアナログ感を大切にするような気もするし、よくわからない。
この懐かしい未来感が、「バラ色の未来」感が一回転して消え失せた昨今、妙に新鮮。

【日記】14年05月06日 体重62.9kg

五時起床。
機嫌の悪い空。
昨日飲んだアレルギー薬の副作用で、寝起きが悪い。
早起きしたのに頭が動かず真っ暗な仕事部屋で椅子に深く身を埋めてまどろんでいる。
朝食、カニ雑炊、シソとサーモンとアボカドとソーセージとトマトとレタスのサラダ。
朝、ネームを一本仕上げた後、プロットを練っている。
昼食、かけうどん、トマトと鶏モモ唐揚げ。
プロットに関連して読書。

こんな本を読んだ!
『藤子・F・不二雄の発想術 』ドラえもんルーム
『藤子不二雄SF全短篇 (第2巻) 「みどりの守り神』藤子不二雄
『性本能と水爆戦』道満晴明
『続・性本能と水爆戦』道満晴明
『最後の性本能と水爆戦 』道満晴明
【本】『地底国の怪人』手塚治虫
『半神』萩尾望都
『超発明』真鍋博

夕食、玉ネギとサーモンのマリネ、甘辛砂肝、トマトと唐揚げとレタスのサラダ、ゴマネギ豆腐。

DVDで、こんな映画を観た!
『第三の男』

二二時過ぎ寝室で寝そべり本を読んでいるうち眠くなってくる。