主人公を襲う謎の暗殺者、マスクを取ると何とあいつが……しかし前作を去年観たばかりなのに全然覚えていない。結局、お前は誰なんだ?
新鮮なアクション演出がテンポよく続き、何よりも殺陣が格好いい! 観ていてワクワクが止まらない。
ただ、最近はこういう作りにしなきゃ駄目なのか、クライマックスは同時進行にいろんなことが起こりすぎで少しクラクラする。視点を絞って主人公とあいつ(誰だ?)の関係をじっくり観たかった。
スカーレット・ヨハンソンの鼻のてっぺんの肉の固まりも気になったが、こちらは物語の本筋とあまり関係がなかった。
「こんな映画を観た!」カテゴリーアーカイブ
【映画】『アメイジング・スパイダーマン2』:ユナイテッド・シネマとしまえんで鑑賞
微妙だった印象の前作に続き、今作も微妙に仕上げた監督の手腕に感心する。
スパイダーマンってこんな陽気なキャラだったのか……暴走するトラックの運転手に
「ハ〜イ! 俺、アメージングなスパイダーマンさヨロシク!」
と話しかけるそのノリに石ノ森章太郎版スパイダーマンで育った僕は凍りつくぐらいの違和感。
これはアメコミでお約束だから仕方ないのかもしれないが、●●●●●が自分の名前をスパイダーマンが一瞬忘れたからと言って「許さん……殺す」ってどんな恨みがましいんだよ。挙句の果てに「こんな自分をないがしろにした、この世界を支配してやる!」って飛躍しすぎ。
●●●●・●●●●もスパイダーマンに自分の頼みを一度断られただけで「お前は敵だ!」と殺そうとするし。
僕もちょっとした恨みで人を殺したくなるぐらい憎んでしまうから気をつけなければ、と自戒する。金正恩やジョージ・W・ブッシュの例が証明するように、他人の殺傷能力を握った人間は力の誘惑から逃れることは出来ないのだ。
ま、僕に出来ることは、自分の漫画に憎い奴を登場させてバッサリ首を切り落とすぐらいですけどね。
【映画】『あきれたあきれた大作戦』
【映画】『第三の男』
【映画】『シャニダールの花』
先日『狂い咲きサンダーロード』で石井岳龍監督作品を鑑賞したがよくわからなかったので、理解の一助のためこの最新映画を観る。
女性の胸のみ咲く花……恋をすると開き失恋するとしぼむ……女性器……生命を生み出すことができる力の象徴?
所長や主人公が倫理に反する(と思われる)行動をしても物語上で明確な因果応報がないから、この世界で何が正しいことで何が悪い子とか明確なルールがわからない。ラストもわかるようでわからない。絵面で幻想的な雰囲気、破滅の美学的なことを伝えたかった? いろいろ推測するが、確信はない。
僕は今回初めて綾野剛を認識したのだけれどいつも眉間にシワ寄せている人なの? 黒木華以外の女性キャストが顔立ちの印象が似ていて区別がつかない。製作側の好み? 誰かが刈り上げにしたらもっとよかったのに。
余計わからなくなった。
【映画】『サイド・エフェクト』
【映画】『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』
【映画】『ポンヌフの恋人』
【映画】『ティファニーで朝食を』
【映画】『危険な情事』
僕も大切な妻と娘のために一時的な情動に負けて衝動的な情事をすることだけは避けよう、と思った……って免許更新のときに観させられるビデオかよ! そうだ、役所も結婚の手続きのときにこのビデオを見せることを義務にしたらいいのだ。
「うさぎを飼いたい」と子供が言い出した時点でああなることがわかっていたのに、やっぱりああなった映像を観せられるとショッキング。
ただ扇情的に怖がらせるような映画ではなくて、意外ときっちり作りこんである。あの女性が子供をああする視点と妻の視点が交互に流れ時間間隔が徐々に短くなる演出は、直接に暴力的なことや残酷なことが起こっているわけでないのにハラハラさせられた。
ま、いろいろ書いたけど、僕は結婚する予定すらないんですけどね。
【映画】『オンリー・ゴッド』
【映画】『太陽に灼かれて』
【映画】『戦火のナージャ』
落ち着いたトーンの前作『太陽に灼かれて』から一転、スラップスティックな笑いあり、スプラッターな暴力描写ありのイケイケ戦争映画になっている。前作はソ連崩壊直後の自信喪失したロシア、今回は自信を取り戻したロシアを象徴している?
一九三六年からたった六年でも現実世界では一七年、同じ登場人物が登場するそのギャップをどう埋めるのかと思ったら、そういう細かいことはなかったことになっている、力技だ。
奇跡のようにかわいかったナージャが、僕の実姉みたいなブサイクに成長。本人だからどうしようもないけど。
でもラストシーン、ナージャと死にかけた兵士のやりとりからの引きはまさに圧巻! この映画は興行的に失敗だったらしいがこの一連の絵だけでも僕史(松田望の個人的な歴史)に残る。
おっぱい!
【映画】『遥かなる勝利へ』
前作『戦火のナージャ』と本作は『太陽に灼かれて』から平行して続く続編というより、『太陽に灼かれて』で描かれなかったことを落ち穂拾いで集めたらめちゃくちゃ膨らんでしまって収拾がつかなくなった印象。いわば壮大なスケールのエコー。
全体を通して観ると支離滅裂な印象だが、点景で素晴らしいシーンがいくつもあったので満足度は高い。
前作と同じく二時間半もあるのに長く感じなかった。自分はこの監督と波長が合うのかもしれない。
自分と全く接点がない登場人物の人生体験を、自分に引き寄せることができる、映画とは本当に素晴らしい表現ジャンルだと実感する。
特に、妻を乗せた列車が出発そして通りすがりの結婚式で主人公が行きずりの女と踊る一連のシークエンスは泣けて仕方なかった。もちろん僕はこんな経験をしたことがないのだが、何故かわかる……わかって仕方がない!
【映画】『スティング』
学生時代にドンデン返しがすごいと聞いて、友達とレンタルしたことがある。こまかい経緯は忘れたが先に友達が観て「確かにドンデンあったけど古かった」と言ったのでテンションが下がり、僕は観ずにそのまま返却してしまった。
それからの二〇年後、初めて鑑賞。
僕の中で「古い」というイメージが膨らんで、ラストシーンでは「ドンデンドンデン!」と舞台が盆回りになってみんながコケるような、あるいは蒲田行進曲みたいに登場人物全員が記念撮影するような、そういう定番のメタなオチを想像していた。
しかし実際は物語の中に組み込まれた古典的なドンデン返しだった。
まあ……七〇年代初めだったらそういうものか。
ドンデンドンデン!
【映画】『ルームメイト』
主人公がルームメイトを募集し始める時点で悪い予感しかしない。
僕だっておかんチェックでエロ本が勝手に没収されていく実家には二度と戻りたくない。
血のつながっている相手ですらそうなのに、赤の他人と一緒に住むなんてリスクが高過ぎる。自分が年老いて老人ホームに入り相部屋で暮らさなければならない羽目になったとき、チェッカーズとかAKB48の曲をラジカセでがんがんかけるルームメイトがいたら……ゾッとする。
とにかくブリジット・フォンダが魅力的。彼女の魅力がなければこの映画は成り立たないけれど、それは本当に成功している。
サスペンス部分も手堅くて普通にドキドキハラハラ。何回も叫んでしまって近所迷惑してしまった。
もしルームメイトがいたら僕は窓から突き落とされてしまったことだろう。
【映画】『白いドレスの女』
【映画】『捜索者』
【映画】『ブルージャスミン』:ユナイテッド・シネマとしまえんで鑑賞
【映画】『汚名』
【映画】『愛は霧のかなたに』
二、三年前からTSUTAYA DISCASを利用している。興味をひいた映画をスナック感覚でサクサク予約、観終わるたび新しいDVDが送られてきて探す手間いらずで重宝している。
しかし何でもかんでも予約し過ぎて溜まった未鑑賞の映画が二〇〇本ほど、もはや送られてきても何故自分がこれを借りようとしたのかわからなくない。
この映画も送られてくるまで恋愛映画と思っていて、パッケージの、マウンテンゴリラを抱きしめるシガニー・ウィーバー氏の写真を見てギャフン! 霊長類観察に命をかけた女性生物学者の実話を映画化したものだった……
危機に陥ったとき流れる音楽が電子音なのが八〇年代っぽい。ピコピコピコピコ♪
最初はどうしても主人公に感情移入してしまうから、自然保護区に住むゴリラを執拗に襲い続ける現地人に怒りが向けられる……が、よくよく考えてみると、どうして現地の人がそうせざるを得ないのか、という視点がすっぽり抜けているような。
ゴリラ狩りを禁止したり許可したりが行き当たりばったりの政府なら、現地人はゴリラを密猟することがいけない理屈もわからないだろうし、そもそも地元に産業がない。
この映画で描かれている白人は自分の気持ちを押し付けるだけで、どうして彼らがそんなことをするのか根本的に理解しようとしない。日本のイルカ漁に反対してシー・シェパードが和歌山の太地町で行っている活動みたいなもの。
「私のゴリラを返して!」ってお前のものじゃないよ!
行き過ぎた部分も含め彼女の行動をどちらかと言えばよきこととして描いている映画の姿勢に感情移入できない。
それはともかくとしてジャングルでシガニー氏が実際のゴリラの群れと触れ合うシーンはスリリングだった。映画の撮影それ自体をドキュメントとして観たい。
とくに威嚇して雄叫びをあげるボスゴリラの迫力ときたら……と思って調べたらこちらのほうは人が入ったぬいぐるみの特殊効果。これはこれですごい技術だ!
【映画】『アマデウス』
「モーツアルトを殺したのは私だぁ〜!」と叫ぶ冒頭。しかし話が進むに連れミステリ的な殺人の話ではなく、そういう比喩だということがわかってくる。それを「自分が殺した」というにはお前、牽強付会過ぎるだろ。
『ムーラン・ルージュ』を観たときも冒頭でユアン・マクレガー自身は嘆き歌かもしれないけどお前の個人的な話でこちらには関係ないだろ!と思ったのだが、似た印象。
モーツアルトの才能を妬み羨む宮廷のベテラン音楽家が嫌がらせをするが、音楽の力によって打ち負かされる……の繰り返し。
つまらないかというとむしろそうではなく、『アラビアのロレンス』か!というぐらいの長さ一八〇分ディレクターズカット版だったが、長さを感じさせないほど面白くはあった。
【映画】『ペット・セメタリー』
【映画】『アルファヴィル』
【映画】『追憶』
【映画】『ラッパー慕情』
ラッパーを目指す一男、草野球に熱中する二男、漫画家を目指している三男の三兄弟を中心に織りなす人間模様。
みんな駄目すぎて、刹那的で、目先のことしか見えなくて、ずっともがいているしかなくて、非現実的からまた現実に振り子がもどるように進行していく。
僕はこの映画に心を鷲掴みにされた。
ずば抜けた美男美女が出てこないから、自分が画面に取り込まれたような錯覚に陥るような地続き感。
セックスシーンも本当にその場で撮影しているかのようにリアル。
独特のカット割り。癖はあるが僕はスピーディーに感じる。
むしろ、こうしたい気持ち、僕はわかる!
(ような気がする)
特撮のいい加減さ、なのに回想シーンを作りこんだりふとカメラが引いて山の上から道を歩く主人公を撮影したり、金はないけれど時間をかける作り込みならどこまでもやるという気概を見せられたような、画面のどこまでも演出が続いているかのような……
僕がこの映画に対して強く感情移入したその対象は、映画の内容そのものよりこの映画に対してのスタッフの想いなのかもしれない。