日別アーカイブ: 2014年2月17日

【本】★『ベストセラー小説の書き方』ディーン・R.クーンツ

ジャンル作家になるな、とこの本の中で口酸っぱく語られている。
筆者はSF作家というレッテルを消すために版権を買い戻し絶版にまでした。
ここまでしてもなお批評家の中には筆者をSF作家と評する人がいるという。
「まだ昔の檻からぬけだせちゃいないぞ」

かのようにジャンルものは、売上や表現の枠で制限があるので出来る限り避けるべき……にしてもそこまで言うか。

メモ:
●一般読者が小説に望むこと
1:しっかりとしたプロット
2:見せ場が多いこと
3:ヒーローかヒロイン、またはその療法が登場すること
4:変化と想像力に富み、しかも説得力のある性格描写
5:明確で自然な登場人物の動き
6:綿密な背景描写
7:わかりやすい文章(描写)
8:多少のリリシズムと強烈な印象的イメージを豊富に盛り込む。

●作家に必要なこと
思考
注意
職人気質
物語性

●報道されていることを一番に取り上げかつ面白く描くことの競争の激しさ、二番煎じの不利さ。

●古典的プロットのパターン(普遍的)
1:作家は今まさに恐ろしい困難に遭遇しようとしている主人公を紹介する。
2:主人公はその困難を乗り越えようと努力するが、更に深みにはまる一方である。
3:主人公が穴から這い上がろうとすると、色々と厄介なことが持ち上がる。多くの場合このトラブルは主人公の個性を形成している欠点や美点の相互作用から生じる。
4:恐ろしい体験と耐えがたい状況によって、深く傷つき変貌を遂げた主人公は自分自身についてあるいは人間が常に置かれている状況について何かを学び取る。彼はなすべき行動を実行する。

●最初の3ページが勝負

読者が本を買う基準
1:作家の名前
2:小説の種類
3:表紙
4:表紙に書かれた宣伝文句
5:第1ページにざっと目を通す

●注意!
物語で起こる事件は決して作者から読者に対して直接語る形で予告されてはいけない
どうしても予告したくなったときは、登場人物を通して語らせよ

●相次ぐ困難によって主人公を追いつめよ
1:主人公の課題を過酷にするためであって、時間稼ぎであってはならない
2:どんな事件も前の事件から必然的に生じるものでなくてはならない
3:偶然の一致を避けよ。
4:(主人公が欠点を持つことは構わないが)相次ぐ困難は登場人物の愚かさに起因してはならない。
5:最後の状況は最悪のものでなければならない

●作品を最大限面白くするためには、著者は可能な限りアクションと性格描写を結びつけるべきである。

●主人公の動機付けの弱い物語は駄目→よりよくするためには動機の重層化が必要